出版社内容情報
「僕の放蕩は仕事ですよ」。並外れた行動力によって執筆のみならず、印刷業・活字製造業にまで乗り出し、近代出版史にも名を残したバルザック。終生彼を敬してやまなかった伝記作家がその波瀾に満ちた五一年の生涯を描いた、遺作にして最高傑作。
〈解説〉宮下志朗
内容説明
時代におもねらず、時代を超越して絶対純粋の作品をつくり出すとき、バルザックは最も偉大である―。この「近代文学の最も素晴らしい労働者」を終生尊敬してやまなかったツヴァイクが、その奔流のような五一年の生涯を描いた遺作にして最高傑作。
目次
第3篇 小説を地で行く(承前)(ジュネーヴ;ウィーンの別れ)
第4篇 小説家バルザックの栄光と悲惨(破局の年一八三六年;イタリア旅行;転機の年;サルデーニャの銀山;芝居の投機)
第5篇 『人間喜劇』の作者(ハンスカ夫人征服の戦い;『人間喜劇』;最初の挫折;蒐集家のバルザック;)
第6篇 事の成就と終り(最後の傑作;ウクライナのバルザック;結婚と帰国;おわり)
著者等紹介
ツヴァイク,シュテファン[ツヴァイク,シュテファン] [Zweig,Stefan]
作家。1881年、オーストリア生まれ。ウィーン大学で哲学を学び、第一次世界大戦中は、ロマン・ロランとともに反戦平和の活動に従事する。大戦後は、ザルツブルクに住み、数々の作品を発表。ヒトラーの政権掌握後、ロンドンに亡命。その後アメリカ、さらにブラジルへ移住するが、1942年、自ら命を絶つ
水野亮[ミズノアキラ]
1902年、長野県生まれ。フランス文学者。東京帝国大学仏文科卒業。東大図書館に勤務しつつ、バルザックを主として数多くの翻訳を行う。明治大学、中央大学でフランス語講師を務めた。79年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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