出版社内容情報
朝日屋に、加賀の若き料理人一平がやってきた。かつての修行仲間矢太郎の弟子だと聞いた慎介は一平を歓迎するが、連日、江戸で芸者遊びできる店に通っているのを知ったちはるは不審を募らせる――(第二話「過去」)。久馬がまたぞろ悪事を始め、火盗改や権八郎一味も動き出し……出汁も香るが事件も匂う待望のシリーズ第五巻!文庫書き下ろし
目次
第一話 命の潮
第二話 過去
第三話 天職
第四話 朝影
内容説明
朝日屋に、加賀の若き料理人一平が泊まりにきた。かつての修業仲間矢太郎の弟子だと聞いた慎介は一平を歓迎するが、江戸で芸者遊びができる店に通っているのを知ったちはるは不審を募らせる―(第二話「過去」)。久馬がまたぞろ悪事を始め、火盗改や権八郎一味も動き出し…出汁も香るが事件も匂う待望のシリーズ第五弾!文庫書き下ろし。
著者等紹介
高田在子[タカダアリコ]
1972年、神奈川県横浜市生まれ。相模女子大学短期大学部国文科卒業。2015年『忍桜の武士』(白泉社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
84
今作の印象深い話は慎介のかつての料理人仲間の弟子・一平が朝日屋を訪れる。一平は美味しい料理を味わい後学のための全国行脚の旅途中。だが、朝日屋で起こるアクシデントに一平が板場に立ち料理を作る事に。たまに夜出かける一平が帰った時にただよう酒と化粧の香りにちはるは心穏やかでない。何が修行だ、何が行脚だ、ただ遊んでいるだけではないか。。。だが、その真実が判る時料理人の矜持を見る。そして、主・怜治の過去とちはるの両親が店を失くしたいきさつなど諸々の過去が知れて面白い。新鮮な魚料理と熱い人情が胸を打つ第5弾。2024/01/15
陽ちゃん
10
シリーズ5作目。慎介の修行仲間だった矢太郎の弟子一平が朝日屋に泊まり、江戸での見聞を広めるためと毎日出歩き、酒とおしろいの匂いをさせて帰って来る彼にちはるは不審感を抱きますが…理由を知り、手を痛めた慎介の代わりに一平が調理する姿を見て、考えを改め、彼からいい刺激を受けるように。これからも旅を続ける一平からの手紙でちはるの料理に幅が出るといいですね。それにしても、「甘い餡を白飯の上に載せて食べる」慈照和尚って、某漫画の主人公みたいで笑っちゃいました。2023/12/24
Masa
7
今回の段も、あたたかく、優しいお話でした。特に「朝影」には、その時の情景がまぶたに現れて、思わず目頭が熱くなりました。 仲間がいて、師匠がいて、互いに切磋琢磨できるチームっていいな!2024/04/25
あずとも
6
慎介のかつての修行仲間の弟子がやってきて歓迎するも連日、江戸で芸者遊びできる店に通っているのを知ったちはるは不審を募らせるが・・・。おふさの成長を感じられたり季節を感じられる美味しそうな料理満載。ただ久馬がまた悪事を始めた件はどうなってるのか分からず。次作なのかな?2023/11/27
でんすけ
4
料理を中心に据えた物語というのは、最近ちょっと読んでいるが、この本では特別美味しそうに感じる。透き通ったうしお汁が特に印象に残る。序盤の物騒な展開はまだまだこれから動きがありそうですが、それはさておいて、さわやかな人情噺が面白い。2024/03/25