中公文庫<br> おどるでく―猫又伝奇集

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おどるでく―猫又伝奇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122073838
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

室井光広とは誰だったのか?
誰でもない。宇宙を吹き渡るコトバの元気(げんき)、天籟(てんらい)だった。
――辻原登

こんな凄い小説が書かれていたことに驚きました。
生きる悲しみが言葉の奥底に繋がっていることを知りました。
貪るように読みました。
――町田康

カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生する――。

表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によって「はたしてこれは小説なのか?」と賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。そのほか、著者の故郷・南会津を舞台にした関連作を「猫又」サーガとして初集成/初文庫化。
古今東西の博識を呼び込み、「言語」と「小説」そのものの謎を探究する室井光広の目眩くテクストによって、日本語文学は何を目指し、何を実現したのか。
遺作『エセ物語』へのイントロダクションともなる、まさに「室井入門」として最適な一冊。
今こそ、時代は室井光広に追いつくことができるか――?

【目次】
[本編]
猫又拾遺(1991)
あんにゃ(1992)a
かなしがりや(1993)
おどるでく(1994)
大字哀野(1994)
和らげ(1996)(初書籍化作品)
[巻末資料]
単行本版あとがき(1994)
万葉仮名を論じて『フィネガンズ・ウェイク』に及ぶ(1994)
インタビュー 室井光広氏と語る(1995)

巻末エッセイ=多和田葉子「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」
解題=川口好美

《あらゆる翻訳は最終的に原作の行間にただようおどるでくを読者の心底にうつすことを目的とするといっていいだろう。そのうつし方は、病気をうつすようにしてなされる。私は再度キリシタン版の中にうつし方の現場をさがしにゆく。おどるでくをうつされるのを好む人は何よりも「写す」行為をいやがらないと露文氏はいっている。》――表題作より

内容説明

カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学の比類なき精華がここに―。芥川賞受賞時に議論を呼んだ伝説の表題作ほか、故郷・会津を舞台(=猫又)とした短篇を集成。文庫オリジナル。

著者等紹介

室井光広[ムロイミツヒロ]
1955年1月、福島県南会津生まれ。早稲田大学政治経済学部中退、慶應義塾大学文学部哲学科卒業。88年、ボルヘス論「零の力」で群像新人文学賞受賞。94年、「おどるでく」で第一一一回芥川賞受賞。2012年、文芸雑誌「てんでんこ」を創刊し第一二号まで刊行。19年9月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Porco

12
読み終わるのに思ったより時間がかなりかかってしまった。架空の寒村猫又地方を舞台にした柳田的な民族学話に、(特に中編群で)話の重大なテーマとして各編に登場する古き書物たち。この書物に関しては作者が敬愛しているだけに非常にボルヘスを思い出させる筆致であるが、これに前述した民族学話が入り混じり唯一無二と言っていい奇妙な味わいが生まれている。2024/02/04

Ribes triste

10
不思議な味わいの物語たち。「猫又拾遺」の連作短編は、日本昔話を読んでいるのにボルヘスを読んでいる様な感覚。「あんにゃ」「かなしがりや」も染み入る。猫又という山間の地域の文化や感覚と人々との交流や縁の確かさとを読みながら皮膚で感じている。遠くに行ってしまった昭和時代を思うような。気づくと最後まで読んでいた。2023/08/11

sputnik|jiu

7
読みながらずっと考えていたのは、諏訪哲史の小説のことである。 言葉が、音が、自己増殖的に多義的になり、あらゆる意味を内包したまま物語がドライブしていく感覚。これはまさに諏訪氏の小説を読んだ感覚に近く、そこに民俗学的要素も合わさって、何度も物語を見失いそうになったわけだが、それでもこれは「日本語で書かれた小説」の極北の一つだと思う。 表題作である「おどるでく」や「猫又拾遺」あたりはかなり読みやすいと思うのだが、個人的には最後に収められた「和らげ」がとても好かった。2024/07/04

Mark.jr

5
表題作は芥川賞受賞作なのですが、同賞の歴史の中でも最低レベルで売上が悪かったらしく、なんと本書が出るまで文庫化もされなかったほど。実際、それもさもありなんというか、(言葉遊び的方向に振らずに)文字と言葉を思考し戯れる感じは、むしろよく(どちらかというと)保守的な芥川賞を取れたもんです。でも本書の中ではやっぱり表題作が一番良いかと。2024/05/13

ふたし

3
「おどるでく」は、芥川賞受賞作だが、読み進めるのが大変。これは、他の作品も同様だった。ロシア語の読み方で日本語を記述することと、万葉仮名で日本語を綴ることの共通性など、突き詰めて考えると面白そうなのだが、小説として読むとつまづいてしまう。2024/05/05

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