出版社内容情報
陰惨な事件に巻き込まれ両親を失った11歳の美沙は心に深い傷を負う。命を落としたはずの母・美知代は病院で意識を取り戻すが、その体は14歳の中学生・修のものだった!
6年後、修はようやく探しあてた美沙の様子に衝撃を受ける。固く閉ざした娘の心にぬくもりを取り戻すことはできるのか?
親子の絆と再生を描く感動の長編小説。
〈解説〉山前 譲
内容説明
陰惨な事件に巻き込まれ両親を失った11歳の美沙は心の深い傷を負う。命を落としたはずの母・美知代は病院で意識を回復したが、その体は14歳の中学生・修のものだった!6年後、修はようやく探しあてた美沙の様子に衝撃を受ける。固く閉ざした娘の心にぬくもりを取り戻すことはできるのか?親子の絆と再生を描く感動の長編小説。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年に「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、サラリーマンから作家業に専念する。80年に『悪妻に捧げるレクイエム』で角川小説賞を受賞。2016年に『東京零年』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うののささら
71
少年と少女が入れ替わってお風呂に入って興奮する話よくあったな。今回はトラックに轢かれた少年とナタで惨殺された母親が入れ替わってしまうファンタジー。赤川次郎さんは簡単に人を殺してしまうが娘のために死にたくないという親の気持ちから近くでトラックに轢かれた少年に魂がうつる。マスゴミが娘を惨殺された母親の死体を見せてコメントさせる。不幸を商売にするマスゴミ。その後も、あの手この手で昔話をさせようてするマスゴミ。マスゴミは取材のためなら何しても良いと思っている。やれやれ気分悪い話だな。でもいい人はたしかにいる。2023/06/17
Take@磨穿鉄靴
36
2023年3月25日 初版発行 となっているが作品自体は1997年に書かれたもの。何故この本がまた出されたのかはよく分からない。作家のネームバリューとこの本の登録数を見るとなんだか少し寂しい。多分、今の流行作家、例えば東野圭吾の作品は30年後に読んでも時の流れは感じつつも読ませると思う。当時の赤川次郎の人気は作られたものだったのだろうか。不動の太いファン層というのは氏には存在しないのだろうか。★★★☆☆2023/07/19
あんパン
10
赤川次郎作品、初読みであったが母と娘の絆を描いたココロが暖かくなるファンタジー小説。これからの美沙を応援したい。これからも赤川次郎作品を読んでいこうと思う。2024/07/07
蕭白
10
切ないエンディングでしたが、前を向く明るさを感じられるものがあって良かったです。2023/06/27
白いハエ
5
赤川次郎は小学生の時、図書館にある全てを読み尽くしたほど読んでいたので、実家に帰るような気分で読む。母親が中学生男子に転生するという「どうするんだ?」としか思えないアイデアから、ひとつの落とし所に持っていく構成力がすごい。事件は陰惨で人(というか男)の嫌なところもふんだんに出てくるが、軽い筆致の密度を満たすためのギミックなのだと見えてこれはそういう技巧なのだと思う。二十五年も前の大衆小説なので、価値観として思うところも多々あれど、私自身の根はここにあったのだと深く感じた。2023/04/11