出版社内容情報
めくるめく未来版「眠り姫」の物語
――吉田篤弘が挑む、かつてない群像劇!
2095年、東京は四半世紀前に建てられた〈壁〉で東西に分断されていた。曖昧な不安に包まれた街は不眠の都と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っている。
そんな中、眠り薬ならぬ覚醒タブレットの開発を命じられた青年・シュウは謎の美女に出会い――。
文庫版特典として、「あとがき」と「もうひとつのエピローグ」を収録。
伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による
競作企画【螺旋プロジェクト】の1冊としても話題!
内容説明
二〇九五年、東京は“壁”によって東西に分断されていた。不安に包まれた街は不眠の都と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っている。そんな中、睡眠コンサルタントで働くシュウは、謎の美女と出会い…未来版めくるめく「眠り姫」の物語が幕を開ける!文庫版特典として、競作企画の始まりを綴った「あとがき」と「もうひとつのエピローグ」を収録。
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と壮幀の仕事を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
254
螺旋プロジェクト第8弾終話。11章立て+おまけ的なもうひとつのエピローグ付き。先ず章タイトルが面白い。そして登場人物紹介が25人と1頭(ヤバい)。それでね、複数個の話が同時並行的に進んで行くの。更にはですよ、独自の固有名詞が多用されており。それは“〈〉”で示されているので分かり易いし、楽しい部分ではあるのですが、記憶容量が削られ捲るよ(。•́ - •̀。)。過去には族・集団としての対立が顕著だったのが、近代・未来になるに連れ段々個人的となり、締めがこうなるのね( ¨̮ )ナルヘソ。【螺旋プロジェクト🧬】2025/05/02
KAZOO
125
「螺旋プロジェクト」の最終話ということですが、私は吉田さんの作品ということで読みました。従来の吉田作品と比べると、エンターテイメント性が強くまた登場人物が多くてかなり異なるイメージを受けました。未来のことということでの内容的なものもあったり「螺旋プロジェクト」に引っ張られているのではないかという気がしました。2024/08/06
まあか
50
初読み作家さん。独特な雰囲気にのまれ、とても楽しく読んだ。登場人物の繋がりも面白い。読みながら、あのときのあの人、あのときのあれ、が絶妙なタイミングで再登場し、脳のあちこちが刺激される。好きな感じ♡螺旋プロジェクトのおかげで出会えた大きな収穫!時代順に読んだので、この本がラスト。綺麗に完結。あ〜読んで良かった〜!グッズプレゼントに応募します♪2023/03/10
みねね
47
吉田篤弘節だ!!!レトロ静謐オシャレな作風がいかに螺旋プロジェクトに絡んでいくかと思ったが、ずいぶん伊坂リスペクトを感じる群像劇だった。都会のはずれの、忘れ去られたようなにおいを感じる作風が未来という舞台で機能するのかやや心配だったが全くの杞憂。未来でも過去は存在して、当然今の我々がレトロなのである。海族と山族の二つは一つへ。これでめでたしめでたし、と思いきやプロジェクトは第二弾があるらしい。楽しみに待つ。2024/10/09
piro
41
螺旋プロジェクト・未来が舞台の作品は、ミステリータッチの壮大なお伽話でした。2095年、南北に走る壁で分断された東京。不安な想いを抱え、不眠に悩まされる人々。何とも不穏な空気を纏ったまま進むストーリーは、登場人物が多く、いくつかのエピソードが同時に進んで行くのでちょっと混乱気味。それでも散りばめられたミステリーの種が少しずつ明かされていく様が楽しく、先へ先へと読み進める事ができました。最後はまさに「お伽話」の様なあっさり感。やや呆気ない感じでした。人々に平穏な日々は来るのだろうか?2023/04/13