出版社内容情報
漱石・荷風ら文豪が愛した高座の空気。小島政二郎が筆をふるった芸人たちの生き様。談志がかきくどく名人たちへの思慕。寂聴が小説に描いた古老の語り口――講談専門の寄席「講釈場」をめぐって書かれた明治・大正・昭和期の随筆、小説を集成したオリジナルアンソロジー。〈巻末対談〉神田伯山・長井好弘
目次
第1部 随筆(講釈場のある風景;講釈を語る)
第2部 小説(世話物(小島政二郎)
一枚看板(小島政二郎)
花野(瀬戸内寂聴))
対談 あのころの客席から講談の未来が見える―明治、大正、昭和の講談ファンが語り継いできたもの(六代目 神田伯山×長井好弘)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
50
とてもよくまとまっている作品集だと思いました。今は定席となっている講釈場ありませんが、この作品集は在りし日の姿が目の前に浮かぶようです。講談が市井の生活に根付いていたんだと感じます。2024/10/13
Yonowaaru
2
別の時代の読物、とは言わず、現代に繋がる一縷の連綿とした流れ。作品集の中で、最後に書かれているとおり、作者の生きた時代もそれぞれ違うし、まだ現役なあの人、もういなくなったけど惜しいなあの人、とまるで推理小説のように一つの芸の歴史の系譜を軽く読むような感触。編集の妙ですね。2024/12/08
KT
1
「おおよそ芸人といわれるほどの者は、そういっちゃあ失礼だが、あなたがたのような商売にしたって同じことじゃないかと思うんだが、芸の自信は、人がつけてくれるものじゃありませんかね。」(p.289)2025/01/09
金の豚
1
講談が活況だった時代があった。それをエッセイ、小説、インタビューなどから複合的な視点で見つめる。とても良い。2023/05/23
吉田正
1
漱石、荷風、談志、寂聴などの随筆と小説が楽しい一冊。2023/04/06