出版社内容情報
誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――
「お前は、価値のある人間なの?」
朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?
毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。
交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、
目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。
今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。
内容説明
俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ―日常に倦んだ看護師、承認欲求に囚われた大学生、時代に取り残されたTVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へとひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。
著者等紹介
朝井リョウ[アサイリョウ]
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第二二回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第一四八回直木賞を、14年『世界地図の下書き』で第二九回坪田譲治文学賞を、21年『正欲』で第三四回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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