出版社内容情報
第五代将軍・徳川綱吉が貞享二年(1685)に発した「生類憐みの令」から十年。巷に犬があふれ、ついに幕府は野良犬を収容する「御囲」を作った。中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、「犬吉」と呼ばれていた。赤穂浪士が討入りを果たした朝、一人の侍・依田との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶる。討入りの興奮冷めやらぬ狂気の一夜の事件と、人生を動かす恋を描く時代長編。
『犬吉』を改題。
内容説明
「生類憐みの令」から十年。幕府が設けた中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、犬たちから慕われ「犬吉」と呼ばれていた。赤穂浪士が討ち入りを果たしたあくる夜、御囲を揺るがす事件が起こる。狂騒のなかで犬吉の身に降りかかる運命のゆくえは…。目くるめく一夜を描く時代長篇。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。1996年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、07年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、18年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大阪のきんちゃん2
13
コロナワクチン接種後一日様子を見るため(過去発熱でダウンしたwww😨)、自宅待機中に読んだ1冊。 時代小説家として定評がある諸田玲子氏、「お鳥見女房」シリーズをかつて愛読しました。 時は元禄時代、生類憐れみの令により江戸中の野犬を収容するお犬小屋を舞台に、赤穂浪士の討ち入りと絡めて不条理な運命に翻弄される娘が遭遇した一日の出来事を描いています。 読み出したらアッという間に一気読み、絶体絶命のピンチからの大逆転は爽快でした。 余談ですがン万匹の動物臭ってどんなもんなん?凄まじいんじゃないでしょうか・・・2022/07/29
あきのぶ
2
29万坪の敷地に10万匹の犬。イメージがわかない。2022/07/02
のあこ
0
話の舞台は、江戸時代、赤穂浪士の討ち入りの頃の中野区辺り。 《生類憐みの令》の酷さは、学校で習ったけど、それ以上の内容に、人々の暮らしの困難さに衝撃を受け、生きるための努力をする女 犬吉の逞しさ、切り替え方、純真さは泣けてくる。犬吉の気持ちはわかるが、幸せになって欲しい。 2023/05/14
-
- 和書
- 中国紛争解決法制の実務