出版社内容情報
齢十七で九州を平定。
島流し先を支配して叛逆。
弓矢だけで軍船を撃沈。
名を源鎮西八郎為朝。
この男こそ日本史上最強。
「こやつは武士として使い物にならぬ」。その一言が男を怪物へと変貌させた。源八郎為朝。異常な弓の鍛錬を続けたこの男は、父に送りこまれた九州を齢十七で平定し、「鎮西八郎」と呼ばれ日ノ本を震撼させた。やがて巻き起こる天下を二分する保元の乱。為朝の前に立ちはだかるのは平清盛、そして唯一彼が恐れた兄・源義朝であった。
源平の時代を駆け抜けた最強の武士の生涯を描く、驚愕の弓豪歴史小説!
内容説明
「こやつは武士として使い物にならぬ」。その一言が男を怪物へと変貌させた。源八郎為朝。異常な弓の鍛練を続けたこの男は、父に送りこまれた九州を齢十七で平定し、「鎮西八郎」と呼ばれ日ノ本を震撼させた。やがて巻き起こる天下を二分する保元の乱。為朝の前に立ちはだかるのは平清盛、そして唯一彼が恐れた兄・源義朝であった。
著者等紹介
矢野隆[ヤノタカシ]
1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』にて第二一回小説すばる新人賞を受賞。18年福岡市文化賞を受賞。痛快な戦闘シーンと大胆な歴史解釈で注目を集める気鋭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YONDA
17
頼朝の叔父、鎮西八郎為朝。出自の卑しさを兄たちに罵られ馬鹿にされ、その悔しさを武士としての強さとして弓で表す。九州で暴れ、保元の乱で暴れ、強さこそ武士との信念に最後まで従う。大島での平穏な一時。迫り来る多数の敵を前にして、自ら果てる鎮西八郎為朝であった。2023/08/21
イシカミハサミ
11
歴史の表舞台にはほとんど登場しないけれど、 伝説では逸話の多い源為朝の物語。 力による制圧は現代には合わないけれど、 最後の力による国内の争いだった明治時代がおわって150年。 とうとう「親ガチャ」という言葉まで生まれるくらいの閉そく感。 金銭面の強者は“賢しい”人間が多いから、 こういうまっすぐなごり押しは爽快感がある。 最期まで武士。2021/11/22
多津子
9
鎮西八郎と呼ばれた源為朝。武士であることにこだわり、戦いに明け暮れた男の生涯。長兄に話を聞かない者は武士になれぬと言われてるのに、何故だ、弓ができないからか?出自のせいか!?となっている。そういう独りよがりな所がそこかしこにあふれ出て、どうにも魅力を感じられなかった。ただの戦闘狂にしか見えなかった。小説としては面白かった。2022/06/25
hiyu
6
史実をもとにした源為朝の生涯。為朝が何故この生き様となったのか、非常に興味深かった。そして家季の立ち位置。その後はどうなったのだろうな。予想できなくはないが。2022/03/18
ryohey_novels
5
平安最強の武士・源為朝。人物造形や戦いの動機がイマイチ。九州では、ただ力を放出したい駄々っ子でありながら、強さで九州の武士を統率していた違和感。京に戻った途端、父、上皇や左大臣に従う汐らしさを見せるがその過程もなく、更に違和感。強い相手(義朝)と戦いたいという彼を貫く軸は変わっていないのだろうが、史実とキャラのギャップが大きすぎる。ただ、最後の伊豆大島編は良かった。力だけで集めた兵はいつか去ってしまうという皮肉な結末に、家季の裏切り。この欠点だらけの武人に対する同情と悲哀が私には心地良く感じられた。2024/10/19