出版社内容情報
「ひときわ美しく澄んだ最澄さまがここにいらっしゃる」漫画家・おかざき真里
「今読んでもまったく新鮮であり、最澄再評価の機運を盛り上げるにふさわしい」仏教学者・末木文美士(解説より)
腐敗した南都の仏教界に背を向け、一途に真実の教えを求め続けた最澄。十二年に及ぶ籠山、苦悩する帝王桓武との魂の交わり、唐への求法の旅、弟子たちの離反、空海との疎隔……。「史料の上を虫が這うようにして」五十余年の生涯を追い、日本天台宗の開祖の思想と人間像に迫った歴史長篇。吉川英治文学賞受賞作。新たに自作解説二篇を付す。〈解説〉末木文美士
内容説明
腐敗した南都の仏教界に背を向け、一途に真実の教えを求め続けた最澄。十二年に及ぶ籠山、苦悩する帝王桓武との魂の交わり、唐への求法の旅、空海との疎隔…。「史料の上を虫が這うようにして」五十余年の生涯を追い、日本天台宗の開祖の思想と人間像に迫った歴史長篇。吉川英治文学賞受賞作。新たに自作解説二篇を付す。
著者等紹介
永井路子[ナガイミチコ]
1925(大正14)年、東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業後、小学館勤務を経て文筆業に入る。64(昭和39)年『炎環』で直木賞、82年『氷輪』で女流文学賞、84年菊池寛賞、88年『雲と風と』ほか一連の歴史小説で吉川英治文学賞、2009(平成21)年『岩倉具視』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タカボー
7
時流に乗るのが上手だった空海と、下手だった最澄。真面目で不器用な主人公がもどかしく愛おしい。会社で要領良く出世していく若手と、実直で人はいいんだけど出世に縁が無い先輩社員の構図を見ている気がする。周りの人もどっちに付くかって言えば空海だろうな。戻ってこなかった弟子を責められない。天台宗比叡山延暦寺の祖として今の人にも名前を知られてるんだから、十分過ぎるほど出世してるんだけど。読む順番は美貌の女帝→氷輪→本書の順が良い。私は偶然その順番で良かった。2023/12/15
京橋ハナコ
3
空海と最澄の差は天才と秀才の差かと思っていた。そう単純なものではないのね。これほどの人たちでも自身の望むものを得られたとは思えない。生きるって大変。2024/07/16
タッチ
1
1月に他界した永井路子さんの本を読んでみました。空海の本は多く読んでいましたが、最澄のことは詳しく知りませんでした。遺言は、「わがために仏を作ることなかれ。」金剛宝戒の確立を望みましたが、最澄の死に嵯峨天皇からの勅許は間に合いませんでした。絶望のうちに亡くなった最澄が今の世をどう思うのか、尋ねてみたいです。2023/03/06
depo
1
図書館本。今まで空海は読んだことがあったが、最澄は初めて読んだ。今年(2021年)は最澄没後1200年にあたり、そこでこの本も再刊された。2021/12/03
司
0
もう一人の主役、桓武天皇が興味深い。2023/06/24
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