出版社内容情報
商賈の道を捨て、荘襄王とともに理想の国家をつくるため、大国・秦の宰相として奔走する呂不韋だが……。宮城谷文学の精髄、いよいよ全五巻完結!
内容説明
民意が反映される王朝のありかたとは、どういうものか―。千年つづく政体の確立を目指して呂不韋は奔走する。しかし、昭襄王の崩御に乗じて、秦の力を削ごうとする他国との熾烈な戦いのさなか、呂不韋のもとに、即位したばかりの子楚・荘襄王の思わぬ訃報がもたらされ…。完結篇。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、93年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tomoichi
14
今まで持っていた呂不韋像を完全に変えてしまった。そして始皇帝が残念な人に(笑)キングダムはどう描いて行くんだろうね。2021/10/10
ねんまに
4
最後まで呂不韋は聖人君子でした。さすがにいい人にしすぎでしょ感はありましたが、主人公補正が心地よい話だったのでまあ貫き通してくれて良かったです。しかし、終盤は小説というより歴史書っぽくなってしまい、「文献には記述が残されていない」的なメタ表現が多くなってちょっと萎えました。きれいにまとめるのが難しくなってしまったのかもしれないけど、最後まで呂不韋視点の物語であってほしかった2021/10/28
さくさく
2
4巻からは国際政治状況に沿った話が続き面白かった。最終巻となる天命篇は最も濃い。しかしここに至るまでの過程が長すぎる。後に呂氏春秋を編纂したことから逆算して色んな冒険、寄り道をさせて大物に出会わせていったんだろう。それが分量を多くしたのか、特にオリキャラは無駄に多く感じた。もう少しスリムな方が良かったかな。荀子の紹介や農業・商業の思想の披露は見事。2025/05/29
楽毅
1
今回はいつも以上に波乱に富んだ展開で、主人公の生き様や考え方に学ばされる思いがした。冷酷な始皇帝を諌めようとした宰相が、これほど巨大な存在だったとは。歴史小説は主人公への著者の思い入れが少なからずあるので、史実として丸のみすべきではないだろう。ただ、時代が古くなるほどに、世界を描き出す想像力が必要になる。宮城谷作品は未知への誘いとして格好の存在であることを改めて認識。本書はその中でも出色の大作だと思う。新装版が出なければ手に取らなかったので、このタイミングでの企画に感謝したい。2021/04/25
バム
0
最近ハマってる宮城谷さんの作品。 相変わらず文章や語句がきれい!勉強になるわー。 今作も面白かった! 呂不韋、女性にモテすぎ笑。2021/08/29