中公文庫<br> 雪の階(きざはし)〈上〉

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中公文庫
雪の階(きざはし)〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122069992
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

昭和十年、秋。笹宮惟重伯爵を父に持ち、女子学習院高等科に通う惟佐子は、親友・宇田川寿子の心中事件に疑問を抱く。冨士の樹海で陸軍士官・久慈とともに遺体となって発見されたのだが、「できるだけはやく電話をしますね」という寿子の手による仙台消印の葉書が届いたのだ――。富士で発見された寿子が、なぜ、仙台から葉書を出せたのか? この心中事件の謎を軸に、ドイツ人ピアニスト、探偵役を務める惟佐子の「おあいてさん」だった女カメラマンと新聞記者、軍人である惟佐子の兄・惟秀ら多彩な人物が登場し、物語のラスト、二・二六事件へと繋がっていく――。

内容説明

昭和十年。華族の娘、笹宮惟佐子は、富士の樹海で陸軍士官とともに遺体となって発見された親友・寿子の心中事件に疑問を抱き、調べ始める。富士で亡くなったはずの寿子が、なぜ仙台消印の葉書を送ることができたのか。寿子の足どりを追う惟佐子と探偵役の幼馴染、千代子の前に新たな死が…。二・二六事件前夜を舞台に描くミステリーロマン。

著者等紹介

奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年山形県生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科修了。86年『地の鳥 天の魚群』でデビュー。93年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、94年『石の来歴』により芥川賞を受賞。2009年『神器』で野間文芸賞、14年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞、18年『雪の階』で毎日出版文化賞、柴田錬三郎賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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rico

80
独特の、少し古風な感じのする文体が最初ひっかっかたけど、すぐ気にならなくなる。ぐいぐい引き込まれる。大正デモクラシーの残滓が排斥され、軍部が力を持ち、挙国一致で戦いに向かうための準備が着々と整えられていた昭和初期。美しき伯爵令嬢を中心に、その一族、心中した親友、暗躍する政治家や軍人たち、幼なじみの女性カメラマン、ドイツの音楽家、ヒトラーの影、不思議な幻影・・・。様々な要素が重層的にからまり合い、不穏な空気をまといながら、加速していく。この先には87年前のあの事件が待っている。下巻へ進みます。2023/02/23

みつ

39
数学と囲碁が得意な伯爵家令嬢を主人公に据えた戦前(昭和10年前後?)の物語。流麗な文章の美しさにまず魅せられる。青年将校たちの語る理想国家論は、この先間もなく起こる大事件を予期させながら、意外な展開へ。政界の黒幕でありながら娘に敬語で接する伯爵の描写も面白いが、二章になって初めて登場する女性カメラマン千代子と男性新聞記者蔵原がふたりで謎を追う際の会話で、物語は俄然魅力的に。殊に互いの「心の声」(「これほどいい音をさせて沢庵を齧る人を自分はかつて知らぬ」とは千代子の食べっぷりへの感想)が物語に生気を与える。2023/01/15

白いワンコ

39
冒頭から「ギュンター・シュルツ」「ピタゴラスの天体」「オルペウスの音階」そして「心霊音楽協会」…困惑と魅惑に激しく音立てる血流!そういえばこの時代性!!と沸き上がる歓喜を抑えられない!!!垣間に散らばるクラシック・ジャズの音楽要素に心踊らせ、一見固いが知る人にはこの上なくユーモラスな文体も嬉しい限りなのに、それでいて極上ミステリー作品なのだから、そりゃ血圧も上がるというものですわ…2021/03/12

ゆきらぱ

39
始まりのページからがっちり引き込まれてしまいました。明治神宮外苑近くの公爵邸の音楽会で華族の娘・惟佐子の登場が着ている色留、持っているキリムのバッグなど細かに描かれて鮮やかでした。その上、惟佐子は美しいが数学好きで虫も平気、自分の部屋は和室が好みという惹きつけられるギャップをばっちり持った二十歳の女性で行動が気になりひたすらに読みました。途中から出てくる千代子、女子美出の記者ですがこちらの登場で更に面白く。さて、舞台は日の光と書く日光。すごく気になるところで「つづく」になってしまった。下巻楽しみ〜2021/02/08

Shun

28
昭和10年、華族の娘・惟佐子は親友・寿子の心中事件を不審に思いひそかに調べ始める。報道によると傍らで亡くなった男は以前、茶の席で惟佐子に演説をぶった陸軍士官であったことが分かり、その印象から二人に何があったのか見当もつかない。この事件を追うと同時に父・笹宮伯爵が熱く弁を振るう天皇機関説だの国体だのと昭和初期の陸軍が増長してゆく風潮にも注目します。これから起きるであろう二・二六事件前夜という雰囲気が緊張を否応なく高め、また自然描写一つとっても厳かで張り詰めた世界を感じさせる表現凄まじく、とても雰囲気が良い。2020/12/31

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