中公文庫<br> 屋根裏博物館(アチック・ミューゼアム)の事件簿

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中公文庫
屋根裏博物館(アチック・ミューゼアム)の事件簿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122069893
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館で蒐集、研究されている新たな学問「日本民俗学」。山形の奇妙な婚礼絵馬、南伊豆の不穏な正月行事を調査するのは、幼い頃、敬三に拾われた記憶喪失の少女・あづみ。相棒の林常彦とともにこの博物館に持ち込まれる謎を解く中で、自身の封印された記憶が蘇る――。文庫書き下ろし。

内容説明

渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館では民具の蒐集、研究と「日本民俗学」の研究が新たに進められていた。山形の奇妙な婚礼絵馬、南伊豆の不穏な正月行事を調査するのは、幼い頃、敬三に拾われた記憶喪失の少女・あづみ。相棒の林常彦とともにこの博物館に持ち込まれる謎を解く中で、あづみ自身の封印された記憶が蘇る―。

著者等紹介

澤見彰[サワミアキ]
1978年生まれ。埼玉県出身。2005年『時を編む者』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

47
16歳の高校生だが、私設博物館で民俗学研究にはげむ少女あづみ。実在の人物である渋沢敬三(栄一の孫)・網野善彦の史実にからませて、現実との接点を保持しながら、物語世界へ濃厚に入り込む点が醍醐味。昭和34年という時代設定は、民俗学的調査には必要な過去だろう。時には危険にさらされるシーンにハラハラさせられながら、あづみ自身の過去にも接近していく。続編が読みたいが、史実の渋沢敬三は4年後に亡くなっているので、あづみの将来も気になる。同僚の林常彦が、よき兄のような役割を果たしてくれるのが心強い。2020/12/17

那由多

21
昭和34年、前年に東京タワーが完成し、5年後には東京オリンピックの開催で高度経済成長真っ只中の日本。首都東京では近代化が進む一方、地方では未だ貧困に喘ぎ文明に取り残されているところもあった、そんな時代に女子高生あづみと新米研究員の林が調査に赴き人の闇を解く。複雑なあづみに対し、林が兄のような立ち位置で見守る安定感がある。2021/11/06

barcarola

7
民俗学に因んだミステリ。うっすらとファンタジー(?)。タイトルは屋根裏博物館(アチックミュージアム)の事件簿でカバーイラストも都会的(なお、時代は東京タワーのできた頃)だが、各地への調査旅行が物語の舞台となっており、その変化が楽しく、興味深い。2023/04/02

TAKUMI。

2
日本民俗学研究員のあずみと常彦が、3つの謎の調査を行うが真相にはたどり着かない。 『奇妙なムサカリ絵馬』『あいさつはイナサ参ろう』『悪夢の赤い馬這う』  真相は、あずみの見る夢で明らかになると言う結末ってあり? とは思いながらも、まあまあ面白く読めました。 2022/01/05

てんてつ

2
戦後東京の復興が進み街並みが激変する時期の話。といっても舞台は地方で時代の流れに取り残された古い日本の村の営みが関係してくる。民俗学=陰湿という感じが強いが都市の感覚に慣れてしまうと地方の古い生活は異様に見える。しかしその地の風土ではそう生きざるを得なかった人達がいたわけで単純に善し悪しを語れないだろう。古い因習に囚われた生活が悪であると捉えがちなのに対して、作中で語らえるよう民俗学にあり方としてそう言った人達の営みを記録し知ってもらう学問という定義もなかなか良いところを突いていると思います。2021/03/25

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