出版社内容情報
人はどこから来てどこへ行くのか? がんから生還した人気エッセイストが治療や瞑想の経験や仏教・神道・心理学を渉猟をしながら生老病死や時間と存在について辿り着いた境地を語る。
内容説明
人はどこから来てどこへ行くのか?四十代でがん闘病、東日本大震災での間接的喪失体験を経て、生老病死について思索を深めていく。治療や瞑想をし、鈴木大拙、柳田邦男、多田富雄、島薗進などの著作を読み耽り、仏教・神道・心理学を渉猟しながら「生」と「死」、「わたし」と「いのち」、「時間」と「存在」について辿り着いた境地を語る。
目次
序章 死をそばに感じて生きる(團十郎の辞世;死生観表出の時代 ほか)
1章 「知」の人の苦しみ(伝統的な宗教の後に;岸本英夫の実践 ほか)
2章 スピリチュアリティの潮流(崩れつつある二元論;オルタナティブな知 ほか)
3章 時間を考える(代々にわたり耕す;柳田国男の「先祖」 ほか)
著者等紹介
岸本葉子[キシモトヨウコ]
1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。会社勤務を経て、中国北京に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まろにしも
8
ちょっと読みづらかった。断想とは、そういうものかも知れないけれど。中世ヨーロッパのトンデモ医学にはゾッとするけれど、一方で、中途半端に科学文明が進んだ現代において死と向き合うことは、(皮肉なことに)文明未発達なときよりも、はるかに難しくなっているということを思わされた。2024/09/08
takao
3
ふむ2024/08/13
寛理
2
スピリチュアル思想について簡潔にまとめられている。個人的に最近、キリスト教と仏教の実践に興味があって色々と読んでいるが、それらと比べると、鈴木大拙のように「霊性」の存在を設定するスピリチュアリズムは少し安易なのではないかと僕は思う。ただ、岸本葉子の節度ある記述はすばらしい。円環の中に「永遠」を位置付ける図に感心した。2021/04/26
pantyclub
1
題名にひかれて読んだ。高齢者が興味を持つ内容。読み進めるとどんどん内容が難しくなる。ある意味で答えの無い世界に入って行く感じになる。正直、かなり難しい内容。それだけ死生観を考え、理解することが困難なのだと思う。発見もありました。固体的意識、人も一つの個体であることは間違いない。柳田国男のお話は日本的で面白かった。2024/04/20
ひより
1
いつものエッセイとはだいぶ違った雰囲気。 40代で大病をした岸本さん、もともと論理的だったが、いろんな本を読んだり、お坊さんと書簡のやりとりをしてスピリチュアルな方面にも近づき、考え方も少しずつ変化していったのだとか。 ★22020/09/02