出版社内容情報
『この東京の真ん中にいて『ロビンソン・クルーソー漂流記』のように生きてみたいと思うのはバカげたことだ、という人もいるかもしれない。しかし、ビルの乱立と人口の増加というのは、ただの統計学的な問題であって、私たちは百年前と比べて百倍もの「隣人」を持っているくせに、友情などというものに、ロマンチシズムを感じないようになってしまっている。だれも心の中に無人島を持っているからである――』。
本書は、寺山修司が混とんとする日本社会と対峙した批評集であり、現代社会にも警笛を鳴らす寺山修司の叫びでもある。まったくユニークな個性あふれる文体で社会を論じる随想集。寺山修司ファン待望の初文庫化!
内容説明
「君の魂のゴミタメのなかにしか荒野は見いだされないことを、君は知っているのか?」ぼくの内なる戦場、ロマン・ロラン論、関西学院大学での演説、ロビンソン宣言、石井輝男やゴダールなどの映画論。また演劇論から賭博論まで、時代を抉り対峙した批評やエッセイを収録。反時代的な著作の初文庫化。
目次
1 ぼくの内なる戦場
2 キャンパスでの演説
3 三分間の思想
4 スクリーン・オデッセー
5 同世代の戦士たち
6 時代精神と癌
著者等紹介
寺山修司[テラヤマシュウジ]
1935(昭和10)年、青森県弘前市生まれ。県立青森高校在学中より俳句、詩に早熟の才能を発揮。早稲田大学教育学部に入学(後に中退)。54(昭和29)年、「チエホフ祭」50首で短歌研究新人賞特選を受賞。以後、放送劇、映画、さらには評論、写真まで、活動分野は多岐にわたる。とりわけ演劇には情熱を傾け、演劇実験室「天井棧敷」を主宰。その成果は国際的にも大きな反響を呼んだ。83(昭和58)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
uburoi
ライム
Haruki Nagasaki
Ex libris 毒餃子