出版社内容情報
ドナルド・キーン氏の没後1年によせての復刊。本書は1952年、京大留学前のキーン氏による、ケンブリッジ時代の講義をもとにした日本文学論であり、もとは英語で刊行された。のちのキーン氏の著作および研究・思考の原点とも言うべき一冊。吉田健一による格調高い名訳とともに、長く読み継がれてきた。
「キーン氏の『日本の文学』は、詩人の魂を以て書かれた日本文学入門で、学問的に精細な類書はこれ以後に出ることがあっても、これ以上に美しい本が出ることは、ちょっと考えられない」――三島由紀夫にこのように言わしめた、日本文学研究者ドナルド・キーンの出発点となった本。『万葉集』『古今和歌集』『源氏物語』から、定家、芭蕉、近松、西鶴、子規など、後年の著者の研究の核となる、日本文学のエッセンスを縦横に論じた文学入門。
改版に際し、巻末に新たに、吉田健一によるエッセイ「ドナルド・キーン氏のこと」を収録。また新たに、ロバート・キャンベル氏が解説エッセイを寄稿している。
内容説明
三島由紀夫が「学問的に精細な類書はこれ以後に出ることがあっても、これ以上に美しい本が出ることは、ちょっと考えられない」と評した、日本文学研究者としての出発点。後年の研究の核となる、日本文学のエッセンスを縦横に論じた入門書。訳者吉田健一による「ドナルド・キーン氏のこと」、ロバートキャンベル氏による解説エッセイを新収録。
目次
日本の文学(日本の詩;日本の劇;日本の小説;欧米の影響を受けた日本の文学)
海外の万葉集
近松とシェイクスピア
近松と欧米の読者
啄木の日記と芸術
日本と太宰治と『斜陽』
著者等紹介
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド] [Keene,Donald]
1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学、同大学院、ケンブリッジ大学を経て、53年に京都大学大学院に留学。コロンビア大学名誉教授、アメリカ・アカデミー会員、日本学士院客員。文化功労者。勲二等旭日重光章受章。菊池寛賞、読売文学賞、毎日出版文化賞など、受賞多数。2008年文化勲章受章。12年日本国籍取得。19年没
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912年(明治45)、東京に生まれる。吉田茂元首相の長男。暁星中学を卒業ののち、英国ケンブリッジ大学に学ぶ。ロレンス、ヴァレリー等、英仏にわたる翻訳、文芸批評、小説など多彩な文筆活動を行う。『シェイクスピア』『瓦礫の中』で読売文学賞、『日本について』で新潮社文学賞、『ヨオロッパの世紀末』で野間文芸賞を受賞。1977年(昭和52)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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