出版社内容情報
山形の大守・最上義守の子として生まれ、父との確執、天童・白鳥・伊達氏らとの峻烈な内憂外患を乗り越え、名藩主として君臨した最上義光の実像に迫る!
山形の大守・最上義守の子として生まれた義光は、いかにして父義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患を乗り越え、山形に君臨することができたのか!? その幼少期から一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟までを克明に描き、名藩主として人々から慕われた義光の実像に迫る、著者渾身の歴史巨篇。
内容説明
山形の大守・最上義守の子として生まれた義光は、いかにして父義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患を乗り越え、山形に君臨することができたのか!?その幼少期から一六〇〇年九月の“北の天下分け目の戦い”までを克明に描き、名藩主として人々から慕われた義光の実像に迫る、著者渾身の歴史巨篇。
著者等紹介
高橋義夫[タカハシヨシオ]
1945年千葉県船橋市生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。月刊誌の編集者を経て、執筆活動に入る。92年「狼奉行」にて直木賞(第一〇六回)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
282
最近、気になっていた武将。主役として取り上げられることが少ないようで、とりあえず一番分量が多く、じっくり読めそうなこの作品をアマゾンで購入。全体的に抑揚が効きすぎて、説明くさい文章となっており、物語に没入出来ずに、読む速度がなかなか上がらなかった。あまり知られていない当時の北関東の情勢を、どっしりと描こうとすると、こうなってしまうのは仕方がないかもしれない。上巻では、ほぼ戦はなく、家督争いがメイン。この所謂"奥の合戦"こそ、もう少し謀略の匂いを効かせて、小説らしく面白く仕立てて欲しかった。2020/06/19
らいおねる
5
マイナーといったら失礼だけど最上義光を題材とした本があったことに驚きました。どちらかというと妹が伊達政宗の母で毒を持ったというエピソードが印象に残ってました。上巻はお家騒動に多くの戦。正直、この人物を選ぶには少々乏しいよくある戦国大名の話。ただスポットライトあてて義光視点からしたら大名としての大変な苦労が随所に見られますね。2023/05/13
円盤人
4
『独眼竜政宗』では憎々しい印象だったが、近年名誉回復しつつあるという最上義光。上巻では彼の青年期を書く。さまざまな作家の歴史小説を読んできたが、政治性の解像度が高く、一段階上の上手さに感じる。ただ、義光も傑物ぶりが際立つように描かれてはいない。そのぶんリアルではあるが、ごちゃごちゃして胸のすく展開には欠け、読者によって評価は分かれよう。印象的なのは女性の描き方で、美人ながらとぼけた味わいの正室・桂の方や、病弱な天童の方などが、硬質な展開に花を添える。もう少しドラマチックであれば満点なのだが、下巻も楽しみ。2020/03/25
熱東風(あちこち)
3
面白かったんだけど、土地勘が全くない上に、大まかな地図しか掲載されていないので、読むのにとても苦労した(まぁ、全く掲載されないよりはマシだけど)。/上巻はまだ中央勢力との接触が殆どなく、地方有力豪族の争いの域を出ていない。何とか家督を継いだものの、伊達氏をはじめとして周囲の豪族達に押されて最上氏の羽州探題としての権威は形無し。そこで必死に足掻いている最上義光に、世間一般的にイメージされた“腹黒さ”はない。今後、中央政権とも絡んでくる中、どう最上氏の権勢を盛り返してゆくか。/下巻へ。2020/03/29
うたまる
2
大河ドラマでは伊達政宗のライバルとして原田芳雄が演じていた出羽守、最上義光の伝記小説。最近戦国時代のマイナー部将を好んで読んでいるが、本書は大当たりの部類。無理やりな盛り上げやご都合主義的な歴史改変の無い、地に足のついた秀作と感じた。とりわけ気に入ったのが、東北ならではのズーズー弁。「毎年毎年、戦だ、けんかだと、たいへんだったな。苦労したべ。みなの衆、よぐこだえたもんだ。だが、おしめえだ。戦はすんだ。無事だはぁ」。どんな緊迫した場面も強制的にのどかにしてしまう味のある言い回し。全編これで書いて欲しかった。2022/03/02
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