出版社内容情報
雲に梯子をかけることはできるだろうか――。王莽の圧政に叛旗を翻す武将たちとの十四年半にも及ぶ数々の戦い。その中で誰よりも早く、誰よりも誠実に戦い、光武帝・劉秀のゆるぎない信頼を得た呉漢。天下の平定と光武帝のために、すべてを捧げた武将の戦いの生涯を描く。
内容説明
雲に梯子をかけることはできるだろうか―。王莽の圧政に叛旗を翻した数々の知将、武将との十数年に及ぶ戦いのなかで、光武帝・劉秀のゆるぎない信頼を得た呉漢。天下の平定と光武帝のために、すべてを捧げた武将の戦いを描く。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、93年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
下巻は主に戦闘状態が多く、主人公が負けても劉秀の信頼を損ねないで最後の統一までも続いたということで結末がわかっているので上巻の方が物語性があり楽しめた気がします。若い頃をもう少し膨らまして下巻はもう少し短くしてもよかったのではという気もします。2021/02/10
巨峰
60
ここまで軍事によった宮城谷さんの小説はあまり記憶にない。まあ呉漢が光武帝の第一の軍臣だったから、それはそうなるのかと思いました。でも、面白かった。久々の宮城谷さんの小説を堪能できました。2020/05/08
kk
29
人が人を知り、世を知るとはこういうことか、なぁんて、kkの感想まで宮城谷せんせの語り口に影響されてしまいそうです。呉漢というわりと地味なキャラを主人公にしていますが、人の成長や巡り合わせの不可思議さ、そして時代の大きなうねりの中での志の抱き方など、高い視点から丁寧に描かれています。呉漢も劉秀も、ホントはこんな綺麗事ばっかりじゃなかったんだろうなとは思いはするものの、それでも本作品の中での彼らの生き様には、限りない憧れを抱かざるにはいられません。kkが単純すぎるのかな。皆さんは如何ですか?2020/02/26
Tomoichi
28
どこまで「後漢書」などの史書を元にしているかわからないけどそんなこと感じさせない展開。劉秀による天下平定を支える呉漢の物語完結。劉秀を描いた著者の「草原の風」も読んでいるはずなのに呉漢の名前が全然思い出せなかった。それ以外の人は覚えていたのに。。。2020/02/16
糜竺(びじく)
23
劉秀が最後には天下を平定するのが分かっているだけに、なんだかんだ先が読める順調なストーリーな感じがして、ちょっと読むのがダレてしまった。最後の展開は驚いたけど。上巻の方が個人的には面白かった。2021/01/22