出版社内容情報
安アパートのアルミサッシ窓、「万葉集」で読まれる窓、今は焼け落ちてしまったノートルダム寺院のステンドグラス……窓とは、いったいなんだろう? ときに世界の生成に立ち会い、ときに胸をかきむしるほどの透明さで迫ってくる「窓」から、言葉や記憶の小宇宙をのぞく随筆集。
内容説明
窓とは、いったいなんだろう。眺めずにはいられない大聖堂の薔薇窓、木造家の古窓、いつも持ち歩く心の窓枠…マチスは闇を、プルーストは不思議な絵画を見つめていた。覗きこむほどに、見知らぬ自分が見えてくる。世界を一変させた「窓」を訪ねる二十五篇。
目次
嵐の夜に君を思うこと
対象のつかの間の、不安定な印象
光はノックもせずに入ってくる
風になった光
窓と扉のあいだで
あの家の山の櫟林をミイ、キレイダナア―
エスカルゴの匂う部屋
青い闇のある風景
世界の生成に立ち会う窓
闇だけが広がっていた
あれの意味を知ってますか
その金色の衣のなかで
虚妄の窓の向こうへ
胸をかきむしるほど透明な窓
誰が箱男ではなかったのか
球状の窓
韻を踏んだ四行詩
世界の初期設定
輸入された鼠
語りの高い窓から
配水管と避難梯子の先にある空の下で
薬包紙の啓示
私は窓を愛しつづけた、窓に凭れて。
肩にとまった時間
そのうちに逢ふのです
著者等紹介
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年、岐阜県生まれ。「熊の敷石」で芥川龍之介賞、『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、『正弦曲線』で読売文学賞、『その姿の消し方』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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