中公文庫<br> ポー傑作集―江戸川乱歩名義訳

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ポー傑作集―江戸川乱歩名義訳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122067844
  • NDC分類 933
  • Cコード C1197

出版社内容情報

改造社は関東大震災で大打撃をうけたが、昭和にはいり「円本(えんぽん)」という手軽な文学全集でベストセラーを送り出した。本書はその一冊で、「世界大衆文学全集」のなかの一冊であった。


円本は多額の印税を作家や翻訳者にもたらし、つぎつぎと企画をたてるなかで作品が足りなくなり、代訳も横行した(名の知れた作家の印税で、下積みの作家がうるおうという構図もあった)。後日、江戸川乱歩もこの翻訳がすべて渡辺温らによることをあかしている。昭和初期の江戸川乱歩全集にははいっていたが、その後の全集からは削除された。訳者・渡辺温は二十七歳で事故死した作家で、共訳はその兄でミステリ作家となった渡辺啓介である。附録として江戸川乱歩と谷崎潤一郎の渡辺温についての文章を収載。書き下ろしは渡辺東による渡辺兄弟にまつわるエッセイと浜田雄介による解説。

内容説明

本書は刊行当時「江戸川乱歩訳」で発売され、後日、全集から削除された幻のベストセラーである。実際の訳者は二十七歳で事故死した作家・渡辺温、共訳はその兄でミステリ作家となった渡辺啓助である。雑誌「新青年」で活躍した兄弟のゴシック風名訳が堂々の復刊。附録は江戸川乱歩「渡辺温」、谷崎潤一郎「春寒」。

著者等紹介

ポー,エドガー・アラン[ポー,エドガーアラン] [Poe,Edgar Allan]
アメリカの小説家・詩人。1809年、ボストン生まれ。雑誌編集のかたわら詩や短篇小説を発表。史上初の推理小説、また怪奇小説の傑作を残し、それらの分野の発展に多大な功績を残した。詩や文芸評論においても高い評価を受けている。1849年没

渡辺温[ワタナベオン]
1902(明治35)、北海道生まれ。本名温(ゆたか)。渡辺啓助の弟。慶應義塾高等部卒業。博文館の映画プロットのコンテストに応募し、審査員だった谷崎潤一郎の目にとまり小説家デビュー。博文館で雑誌「新青年」の編集者として横溝正史のもとで働くかたわら、推理小説、幻想小説を執筆した。30年(昭和5)2月10日、谷崎のもとに原稿催促にいった帰り、タクシーが踏切で交通事故を起こし、死亡。享年二七

渡辺啓助[ワタナベケイスケ]
1901年(明治34)、秋田県生まれ。本名圭介(けいすけ)。渡辺温の兄。九州帝国大学法文学部史学科在学中、温とともにポーの短篇を翻訳。また俳優岡田時彦のゴーストライターとして「偽眼(いれめ)のマドンナ」を発表。戦後は推理小説作家として活躍し、日本探偵作家クラブ(現・日本推理作家協会)の会長を務めるなどした。2002年(平成14)、逝去。享年一〇一(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

67
江戸川乱歩の名は、エドガー・アラン・ポーからとられたものであるが、この本は、江戸川乱歩名義で出版されたポーの作品集である、という何かややこしい。だから、なかなか再刊されなかったようだ。実際に訳したのは、渡辺温、啓助兄弟。古典的な翻訳が、少し読みにくくもあるが、ポーの世界をうまく再現しているとも言える。久々にポーの世界に浸った。谷崎潤一郎、江戸川乱歩による渡辺温の不慮の死に関する文も収録されていていて、若き才能が失われたことが悔やまれる。2019/10/31

Yuri

16
江戸川乱歩名義という所に惹かれてのポー傑作集。『モルグ街』『アッシャア館』といった名作揃いの15編。既読作もありましたが、作品の並びがなかなか面白い。『黒猫譚』『早過ぎた埋葬』好きです。『モルグ街』のトリックはホントに奇を衒いすぎてて何回読んでもニヤッとします。2022/08/27

春風

15
江戸川乱歩名義で、渡辺啓介・渡辺温兄弟が翻訳を行った、エドガー・アラン・ポーの作品集。『世界大衆文学全集 第三十巻 ポー、ホフマン集』を底本とした文庫版であり、附録として夭逝した渡辺温氏に向けた江戸川乱歩・谷崎潤一郎・渡辺東の随筆を収録する。収録作品はデュパン三部作をはじめとし、黄金虫、黒猫譚、アッシャア館の崩壊等々、有名な作品を網羅している。翻訳は1929年のものなので旧仮名使いや旧字体が多いが、挑戦的なゴシック調の文体で、これぞポー作品という名訳の数々。ポー作品の時代感を体感できる名訳の復刻が嬉しい。2020/06/23

ごじ

12
手元に紙がないからってハッパ巻いて吸っちゃったというバフチンほどではないにしても、――あ、あれは自分が書いたもので吸ったんだっけか――私は割と本という媒体には愛着持たない方。書き込むし付箋もべたべた貼るし、本からしてみたら迷惑な話けっこう痛めつける。だけどこれへの愛おしさはちょっと事情が違った。こんな古い訳が現代でもこんなに響くなんて。芥川や中島敦の時代のにほんごにはなんとも凄みがある。マニアの間では復刊が待望されていたというがさもありなん。読んでいて昭和一桁代の空気を吸った気がした。2021/08/26

relaxopenenjoy

5
ポー初読み。傑作集と言われるだけあり、有名どころが網羅されているようである。旧仮名遣いで古めかしい(格調高い)翻訳。モルグ街、アッシャー館、陥穽と振子、黄金虫、メヱルストロウムなど色々な作風を楽しんだ。渡辺温が原稿のフォローをしに兵庫の谷崎家を訪れた後に事故死したことはうっすら知っていたけど、巻末の谷崎の随筆を読むと、詳細やその直前の温の意外な行動が知れる。タラレバになるが、そもそも谷崎が原稿をさっさと書いていたら、渡辺温も督促など行かず、兄(啓助)同様長生きして、もっと活躍していたかもしれない。2023/04/01

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