出版社内容情報
19世紀から20世紀にかけての欧州の事例を、ルポルタージュの手法も用いながら解析した本書は、原著刊行から百年近く経つ現時点においても、さまざまに研究されており、また、現実政治の動きを見るなかでつねに参照される名著である。いかに国家権力を奪取し、またいかにそれを防御するかについて歴史的分析を行うとともに、引き起こす人間の人物論や心理状態の描写も豊富に含んだ、まさに古典中の古典といえるこの著作について、現代的観点から全貌を新訳した中公選書版にもとづき、註釈を増やしてより理解しやすくした文庫版がここに登場。
内容説明
いかに国家権力を奪取し、またいかにそれを防御するかについて歴史的分析を行った本書は、クーデターを引き起こす当事者の人物論や心理状態の描写も豊富に含み、その完成度は他の追随を許さない。時代を超えて研究されており、まさに古典中の古典といえよう。本文庫版では註釈をより増やし、理解をしやすくした。
目次
第1章 ボリシェヴィキ・クーデターとトロツキーの戦術
第2章 失敗せるクーデターの歴史―トロツキーとスターリンの対立
第3章 一九二〇年ポーランドの体験
第4章 カップ・三月対マルクス
第5章 ボナパルト初めての現代的クーデター
第6章 プリモ・デ・リヴェラとピウスツキ―宮廷人と社会主義将軍
第7章 ムッソリーニとファシスト・クーデター
第8章 女性・ヒトラー
著者等紹介
マラパルテ,クルツィオ[マラパルテ,クルツィオ]
イタリア人の作家。父はドイツ人で本名はKurt Erich Suckert。ファシスト左派の立場から『国家の征服』誌を創刊、「ファシズム側の最も手ごわいペン」と評される雑誌に成長させた。以後、さまざまな雑誌・新聞の編集長を務め、両大戦間の文学界、ジャーナリズムに重きをなす。1933年、『クーデターの技術』(1931年刊)がヒトラー攻撃の書として物議を醸して逮捕、流刑となる。後年には、同時代の動乱のなか、左右を問わず自由の敵を批判し、その手法を厳しく論じる立場となり論壇に重きをなした
手塚和彰[テズカカズアキ]
1941年生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学助手、千葉大学教授、青山学院大学教授などを経て、国際交流基金ドイツケルン文化会館館長(2011~13年)を務める。現在、弁護士(尚友法律事務所)
鈴木純[スズキジュン]
1949年生まれ。東京大学法学部卒業。弁護士登録後、司法試験考査委員(民法担当)、第二東京弁護士会副会長、桐蔭横浜大学法科大学院教授(民事法演習担当)などを務める。現在、弁護士(鈴木純法律事務所)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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岡本正行
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スプリント
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Ohe Hiroyuki