出版社内容情報
漢文明、イスラム・ペルシャ文明、サンスクリット文明、そして日本文明等が交流しあい発展してきたアジアの歴史を活写した名著。〈解説〉礪波 護
宮崎市定[ミヤザキイチサダ]
著・文・その他
内容説明
東アジアの漢文明、西アジアのイスラム・ペルシア文明、インドのサンスクリット文明、そして日本文明等、異質の文明が交通という紐帯によって結びつき、相互に競い、かつ補いあいながら発展してきたアジアの遠大な歴史を解き明かし、人類全体に及ぶ「真の歴史」を発見する。
目次
第1章 アジア諸文化の成立とその推移
第2章 アジア諸民族の相互的交渉
第3章 アジア諸文化の交流とその展開
第4章 近世的ナショナリズムの潮流
第5章 近世文化の展開
第6章 最近世文化の東漸
第7章 アジア史上における日本
第8章 現代アジア史
著者等紹介
宮崎市定[ミヤザキイチサダ]
1901(明治34)年、長野県飯山市に生まれる。松本高校を経て、25(大正14)年、京都大学文学部史学科東洋史学専攻卒業。六高教授、三高教授、京都大学文学部教授を歴任。65(昭和40)年、停年退官。京都大学名誉教授。文学博士。専門は中国の社会・経済・制度史。89(平成元)年、文化功労者。95年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆーいちろー
1
最近ようやく通史が面白いと感じるようになってきた。本書もその一つで、記憶力のせいで読んだ端から知識としては忘れていってしまうのだが、読み物として大変面白く読めた。内容もさることながら、本書はその成立過程が面白い。戦時中文部省の要請によって「世界に冠絶し、大東亜全域を光被すべき皇国精神」を提示する歴史書たるべく始められた事業のようだが、「後世の物笑いのになるような歴史は書いてくれるな」という歴史学者の矜持と、それを文部省側に納得させるべく「新構想」をひねり出すあたり、今の目から見ると愉快なエピソードである。2018/12/24