出版社内容情報
デカルトの科学主義に立ち向かい、人間の歴史の価値に光をあてるヴィーコ。古文献・風習・言語・芸術・貨幣などを読むことで、〈真なるもの〉に迫る
ジャンバッティスタ・ヴィーコ[ジャンバッティスタ・ヴィーコ]
著・文・その他
上村 忠男[ウエムラタダオ]
翻訳
内容説明
「諸国民の世界は人間たちが作ってきたのだから、その原理はわたしたち人間の知性の諸様態のうちに見出すことができる」との考えにもとづいて、歴史学にコペルニクス的転回をもたらしたヴィーコの主著。上巻には「著作の観念」、第1巻「新しい学の原理」、諸国民が展開してきた「詩的知恵」について論じた第2巻の第4部までを収録。詳細な訳注付。
目次
第1巻 原理の確立(年表への註記;要素について;原理について;方法について)
第2巻 詩的知恵(緒論;詩的形而上学;詩的論理学;詩的道徳学;詩的家政学)
著者等紹介
ヴィーコ,ジャンバッティスタ[ヴィーコ,ジャンバッティスタ] [Vico,Giambattista]
1668年、ナポリ生まれ。独学で哲学などを修め、ナポリ大学の修辞学教授となる。1744年没
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。東京外国語大学名誉教授。専門は学問論・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キャラモ
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本文は、アレゴリーだらけで難しいが、世にはびこるあらゆる事象の、象徴や暗喩、その背後にあるものを暴くが如く、発見的に知を研磨していくことこそが学であると述べている、と思う。混迷極まる表現の迷宮を進むよう強要する、この本自体がその意味を表している。歴史は、個々の詳細に拘るのではなく、原理において抽象化され、自然本来の知性で、実践的に、科学的に体系化されなければならない。「誰かがこういってたから~」といった、言葉の孫引き、象徴的価値の剽窃を戒めているかのようだ。自らの知るところに知がありけり、といったところ。2025/04/02
飯田一史
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神を中心とするのではなく、人間の知性に国家や歴史などの根拠を置き、コペルニクス的展開をもたらし、社会、宗教など多様な領域を横断的に論じた名著2018/06/19