内容説明
母の仇を討ち、横浜に戻った朝丘剛は、マリアが消えたことに大きなショックを受ける。無為な日々を送る剛に声をかけたのは、またしても松任組の組員だった…。異形の強者が集まる「闇試合」。松任組が仕切る秘密の格闘技興行への誘いに乗った剛は、賭け金の舞う流血の真剣勝負に挑む。勝つために非情に徹し、邪拳の様相を帯びる剛の拳。その前に立ちふさがった男とは!
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道三笠市生まれ。78年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞及び日本推理作家協会賞、17年には「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。空手の源流を追求する、「空手道今野塾」を主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chiru
109
“誰がこの強さを止められるのか?“ 狐拳伝 二巻。一巻で、母の仇を討った剛は、人間を獣に変えてしまう『闇試合』に出場💥 心を持たないターミネーターのような強敵"蜂須賀" 勝つために心を捨てる剛…、だが人間味を持つことも武器となる。力だけで息の根を断つのは難しい。包括的に相手を読む「拳」の妙味、一撃必殺だけが強さではなく関節技もまた相手を確実に仕留める殺傷力の高い技だ。武道の神髄に触れた剛の成長と蜂須賀の心の有り様が入れ替わる魅力が交差する。彼らには正義はない。剛、ここからは、修羅の道を行け!★52022/10/13
★Masako★
63
★★★★☆ シリーズ第二弾。母の仇を討ち、東京から横浜へ戻ってきた朝丘剛。以前世話になった松任組の組員から声をかけられ、ルール無用・死ぬか壊れるかの格闘技興行「闇試合」への誘いにのる。勝ち続ける為に、心を失くし戦闘マシーンと化していく剛。対して剛の強敵・鉢須賀は、冷酷無情な野獣から人としての道を知り変わっていく。功夫の師である劉栄徳の思いは剛に届くのか? 剛が進むのは、天への道か修羅の道か…。再び横浜を去った剛のこれからが気になる。早めに三巻へ! 2023/01/21
PEN-F
48
それにしても次から次へと強敵が現れますね!ドラゴンボールに例えるなら、まずピッコロ💕が登場して、次にベジータ❤️、それからフリーザ💖、セル😍と続いて最後に魔人ブウ😈って感じかな!(^-^)v 今回登場した蜂須賀は、ただひたすら強さのみをストイックに追求するとこがベジータを彷彿させるな🤔 マリアと剛の恋の行方など俺の知ったこっちゃないが、3巻でフリーザ並みの強者が登場することに期待しながら次巻へ....🤩🤩🤩2020/07/03
10$の恋
41
驚いたことに、テンションの下がるページが皆無だ_。剛は母の仇である非道の父親を討ち、流浪の修行で技を磨く。冴えざえと光る眼を持つ剛は渇いた烈風の如く我が道を進む。だが、複合的無敵拳『形意拳』の全てを体得するに至らない。横浜の闇組織に誘われるがままにルール無用の「闇試合」に参戦した剛、世間の広さを知る。特に超人的猛者"蜂須賀"は、勝敗より相手の身体を破壊することに執着する闘士。心を失くした者と封印した者の差異がスパークする。残忍さが明暗を分けた。人の道か修羅の道か、さらなる道を求める剛の「明日はどっちだ」。2022/10/19
ヤジマ
38
主観点 9.0/10 第二巻の舞台は闇格闘技の世界。各界のVIPを招き入れる非合法の賭博場で、闘いの血に飢えた剛は暗躍する。海外傭兵経験のある冷血無頼蜂須賀の登場や、分かり易いやられ役の投入もあり、趣は天下一武道会に近い本作。戦闘シーン満載で、かつ凄まじいテンポ感で選手たちが相まみえる。徐々にバトルサイボーグと化していく剛が完全に修羅の道に堕ちようかというところで踏みとどまらせたのは、やはりあの人。強ぇ…。強過ぎる。もはや超人。川を流れる落ち葉のような剛の行く末は。このまま止まることなく次巻へ進みます。2023/06/02