出版社内容情報
グルマン吉田健一の名を広く知らしめた食べ歩きエッセイ「舌鼓ところどころ」、全国各地の旨いものを綴り全一〇〇編を数える「私の食物誌」。長年にわたり多くの読者を魅了した、この二大食味随筆を一冊にする待望の決定版。巻末に地域別目次を付す。巻末エッセイ・辻義一。*没後40年記念エッセイ集第2弾
内容説明
グルマン吉田健一の名を広く知らしめた食べ歩きエッセイ「舌鼓ところどころ」、全国各地の旨いものを綴り全一〇〇編を数える「私の食物誌」。長年にわたり多くの読者を魅了した、この二大食味随筆を一冊に合わせた待望の決定版。巻末に地域別目次を付す。
目次
舌鼓ところどころ(食べものあれこれ;舌鼓ところどころ)
私の食物誌(長浜の鴨;神戸のパンとバタ;飛島の貝;近江の鮒鮨;瀬戸内海のままかり ほか)
巻末エッセイ 教わったこと、いろいろ(辻義一)
著者等紹介
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912年(明治45)、東京に生まれる。吉田茂元首相の長男。暁星中学を卒業ののち、英国ケンブリッジ大学に学ぶ。ロレンス、ヴァレリー等、英仏にわたる翻訳、文芸批評、小説など多彩な文筆活動を行う。『シェイクスピア』『瓦礫の中』で読売文学賞、『日本について』で新潮社文学賞、『ヨオロッパの世紀末』で野間文芸賞を受賞。1977年(昭和52)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
33
著者は吉田茂の息子とのこと。昭和の豊かでない時代に、サラブレッドで舌も肥えてて美食三昧だったことと思います。少々やっかみが入ってしまいましたが、日本全国津々浦々訪ねて食べたエッセイです。地方色豊かでとても読みやすかったです。金沢の食を綴る頁が素敵です。「地味が肥えていて海産物が豊富」と紹介しています。「地味が肥えている」何とも言い得て妙ではないですか。氏は、北陸、関西、瀬戸内の味がこよなく好きでいらっしゃるようですが、確かに「地味が肥えている」地域かと思います。慈味でもありましょう。ごちそうさまでした。2022/05/17
たまきら
25
この表紙ではなかったはずなんですが、黄ばんでボロボロの状態でよくわからない。粋で、インテリで。そしてところどころから彼の哲学が香る。この人の文章と生き方に20代前半すごく傾倒しました。今読むと、自分は政治の世界に生きる親を持つ彼に、自分自身を投影していたのかもなあ、と感じました。でも、自分と違って彼はかっこいい。2018/02/08
しんこい
12
昭和20年代や40年代に食べ物の話かいてもぜいたくと思われたかもしらんが、特に後者は高度成長だ公害だで、昔からの伝統も名物も失われようとしていたのだろうからなおさらだ。広島のビールがうまいというので、キリンの地域シリーズを買おうかと思った。2019/02/28
うた
11
「私の食物誌」鴨なら鴨、鯛なら鯛、昆布なら昆布の味がそれぞれに旨いと言っているだけなのだけれど、吉田さんが書くと妙に口のなかに味と香りが広がる錯覚に陥りそうになるから不思議だ。グルメ漫画の恍惚顔や食レポよりもずっと旨そうに食べているのがわかるから、こちらもたまらない。2018/02/25
うた
4
旨いのだ。飯や酒がただただ旨いのだ。2024/11/18