内容説明
少しばかり飲むというの程つまらないことはない―。酒豪で鳴らした文士が、自身の経験をふまえて飲み方から各種酒の味、思い出の酒場、そして禁酒の勧めまでユーモラスに綴る。全著作から精選した究極の酒エッセイ全21編。文庫オリジナル。没後40年記念エッセイ第1弾。
目次
酒と人生
飲むこと
酒の飲み方に就て
飲む話
酒の味その他
酒
酒談義
酒と風土
酒と肴
酒、肴、酒
日本酒の味
師走の酒、正月の酒
春の酒
夏の酒
飲む場所
酒と議論の明け暮れ
酒、旅その他
ロンドンの飲み屋
アメリカの酒場
二日酔い
禁酒の勧め
酒の精
著者等紹介
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912年(明治45)、東京に生まれる。吉田茂元首相の長男。暁星中学を卒業ののち、英国ケンブリッジ大学に学ぶ。ロレンス、ヴァレリー等、英仏にわたる翻訳、文芸批評、小説など多彩な文筆活動を行う。『シェイクスピア』『瓦礫の中』で読売文学賞、『日本について』で新潮社文学賞、『ヨオロッパの世紀末』で野間文芸賞を受賞。1977年(昭和52)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケー
17
今年出版された吉田健一さんの「酒」にまつわるエッセイ集。実は初めて知った名前だったのだが、吉田茂の子供と知ってビックリ。驚くほど文章が綺麗で読みやすい。ホントに上手い人って文章に余計な比喩がなくて明快かつ短文なんだよなぁ。吉田さんはまさにその明快さが際立っている。洋酒の章もあるがどちらかというと日本酒に関する話が多めで嬉しい。「酔い」に関する考察も大真面目に綴っていて面白かった(笑)2017/12/07
TSUBASA
16
酒豪としても知られた吉田健一氏の酒にまつわるエッセイを集めたもの。だいぶ時代が違うから今の感覚で読んでるとちょっと違和感を覚える。ウイスキーや焼酎を下等な飲み物ととらえてるところとか。『酒の精』とか何が言いたいのかよくわからないのもあったけども、一番滑稽だったのは色々な観点から酒の害悪を伝えようとしてもお酒は良いものだと結論付けてしまう『禁酒の勧め』。2023/07/02
ブリーゲル
14
駄文。インテリであろうが、吉田茂の息子であろうが、文がひどい。内容はスカスカ、文章が難解。ウイスキーをディスりすぎ。当時の日本のウイスキーはそれだけ酷かったのだけは分かった。2018/05/17
たっきー
9
積読本。タイトルに惹かれて買ったと思うのだけど、面白くはなかった。観念的というのか…実際にお酒を飲んでいるはずなのに、飲んでいて美味しい!という感覚が伝わってこないからか?魅力的な文章とは思えず。著者が吉田茂の息子というのも、こちらを読んでから知った。2021/03/21
...
6
村上春樹の小説で「ウイスキーを飲んでいると不思議と頭の底が冴えてくる」、だの「ウイスキーを飲んでから本を読んでいた」、だの書いてあって、酒飲んで頭が冴えるwhat?酒飲んで本読むとかwhat?などと思っていた。吉田健一のエッセイを読み、酒を飲んで考えることは取り止めがなく、一つ一つの文章は明晰であっても全体を通しての取り留めのない感じが拭えず、かといって不快かといえばそうでもないという、いわばグルーヴ感が出てきたりする。なるほど吉田健一の文体が酒酔いのようなのだ。2020/04/04