内容説明
日本中が貧乏だった著者の少年時代、空腹を抱えてさまざまな工夫を凝らし、何でもかんでも「食べ物」にした日々。おかしくせつなく懐かしい、美食の対極をいく食味随筆。飽食の時代にこそ噛み締めたい、逆説に満ちた、食事風景の昭和史。
目次
1 人肉はまだ食べていないけど(チョコボール;チューインゴム;ハナクソ;みそなど;食パン ほか)
2 少年とグルメ(濡れたセンベイ;追加のコロッケ;二人の叔父さん;花に鯖;松茸はおいしいらしい ほか)
著者等紹介
赤瀬川原平[アカセガワゲンペイ]
1937年、横浜市に生まれる。画家、作家。武蔵野美術学校中退後、『櫻画報』その他のイラストレーションの仕事をする。79年、尾辻克彦の名で書いた「肌ざわり」により中央公論新人賞を、81年、「父が消えた」により芥川賞を受賞。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
70
赤瀬川原平氏、少年時代の食にまつわるエッセイ。故郷大分で過ごしていた時期の思い出、東京に出てきた頃の思い出が綴られている。誰もが子供の頃に食べた「食べ物」の思い出はあると思う。著者は見たことのなかった納豆の初体験、美術高校でデッサンの時間に配られた「食パン」のこと、他天丼、カレーライス、せんべい他どれも秀逸。中でも「蟹」兵隊さんの奉仕で蟹を供するときの出来事がとても好きだ。それを茹でるばあやがとてもうまく描かれていると思った。図書館本。2016/10/29
阿部義彦
16
赤瀬川さんの食にまつわるエッセイ過去に何度も読みましたが、今回中公文庫が何度目かの文庫化です。懐かしく味わいましたら。と言うのも第一部は伝説の雑誌、「ビックリハウス」に[人肉はまだ食べていないけど]という題で連載されたもので、私はリアルタイムでそれを読んでました。ビックリハウサーでしたのです。高校生でしたね。今にして思えば安西水丸さん、YMO、糸井重里、等など豪華執筆陣でした。赤瀬川さんの文章で今回うけたのが、三島由紀夫を評してでも三島由紀夫は芥川賞を貰わなかったけど私は貰った、なんて参りました。2016/09/28
富士山やま
9
期待していた赤瀬川本ではなかったかな…2018/05/12
tama
8
図書館本 赤瀬川ファン 泥棒しちゃいけませんよぉ チューインガムの廻し噛みってのも・・なんかなぁ。はなくそはグロです!やめてくださいっ。後書きで「歳をとると忘れやすい、というよりも、一度思い出して文字に書いてしまうと、もう大丈夫と安心して忘れてしまうのではないだろうか。」あーー これ、凄く同意。この感想も書いた途端に、読んだことすら綺麗さっぱり。2017/08/05
Toshi
8
赤瀬川原平とにかく好き!原平さんは面白い、でとても優しい。2016/11/05