中公文庫<br> 猫と漱石と悪妻

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中公文庫
猫と漱石と悪妻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 251p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122062788
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

見合い相手として現れた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。「苦労するが大成する」相手だという占い師の言葉を支えに結婚を決めるが、慣れぬ土地での新婚生活に四苦八苦する。しかし、それは苦難の序章にすぎなかった…!山あり谷ありの文豪一家グラフィティ。

著者等紹介

植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。東京女子大学史学科卒。出版社勤務、七年間の在米生活などを経て、2002年「まれびと奇談」で第九回九州さが大衆文学賞佳作、03年「桑港にて」で第二十七回歴史文学賞、09年には『群青日本海軍の礎を築いた男』で第二十八回新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫版改題『命の版木』)で第十五回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

235
夏目漱石の半生を、妻の鏡子視点で描いたもの。世間では悪女と思われている。又は、思われていたのですね。漱石の吹聴か、時代もあるのか、実の所はどうなんでしょう? 病気とは言え、漱石イギリス留学からの帰国後のDVっぷりには胸が締め付けられます。でもその後、お子さんを多く儲けられている様ですので、夫婦仲は良かったのでしょうか。本書の内容と夏目作品とシンクロするのは、おぉってなりますね。雛子と『彼岸過迄』は辛いよ(ó﹏ò。)。ねこ成分は思ったより控えめでね、期待からすると少し物足りなく感じざるを得ず。かも。2022/10/14

しんごろ

169
悪妻と思われてるのは、他人が言ってること。今でいうDVをする漱石になんだかんだで、寄りそってるんだから、仲はいいんだろうなあ。でも漱石よ、DVはダメだぞ。漱石の作品は知ってるけど、鏡子の視線からとはいえ、こんな人生だとは知らなかった。子沢山だったんだね。修善寺のシーンはジーンとくるものがあった。そして雛子……、子供を亡くす親の気持ちは辛いんだろうな。鏡子よ、いろいろ振りまわされながらも、しっかり妻として、漱石を支え、育児をこなしたね。そんな彼女にあっぱれと言いたいね。2020/07/07

ふじさん

84
見合い相手として現れた夏目金之助(漱石)に一目ぼれした鏡子。ここから、世間で悪妻と言われた妻の鏡子の苦難に満ちた人生が始まる。生涯、癇癪と胃腸の痛みに悩まされ続けた気難しい漱石を支え、7人の子どもを育て、漱石を作家として成功に導いた鏡子、彼女の忍耐と心の広さがなかったどうなっていたことか。ユーモアたっぷりに軽いタッチで描いた文豪一家のグラフィティ。断片的に知っていたが、漱石の人生、鏡子があってのものだったことが分かる。語られる一つ一つのエピソードに漱石の人間性が出ていて面白かった。 2021/09/16

雪月花

57
夏目漱石と妻鏡子が出会ってから死別するまでの波瀾万丈とも言える生活がユーモアを交えて描かれている。悪妻と言われていた鏡子だが、本書では鏡子の視点から描かれていることもあり、漱石を支え続けた強い女性という印象が濃い。以前、漱石の次男伸六の著書「父・夏目漱石」を読んで、漱石が気難しく暴力的と書かれていたことに驚いたが、繊細ゆえの鬱が背景にあったことが本書でわかる。「吾輩は猫である」の基となった福猫のエピソードも面白く、笑いあり涙ありの内容で非常に楽しめた。2022/03/11

優希

57
妻の視点から描いた漱石の物語でした。漱石の意外な一面を見たような気がします。悪妻と言われた鏡子ですが、実は一途な妻であったと思えてなりません。2021/10/29

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