内容説明
「小鳥に夢中になっている間の面白さは、小鳥を飼った事のない者には迚も解りません」(表題作)。鴬の鳴き方が悪いと気に病み、衝動買いした訓狐のために眠れない夜を過ごす。漱石山房に文鳥を連れて行く…『ノラや』の著者が小動物たちとの暮らしを綴る掌篇集。
目次
阿呆の鳥飼
鷄鳴
伝書鳩
目白
雀の塒
訓狐
牝鷄之晨
柄長検校
柄長勾当
大瑠璃鳥〔ほか〕
著者等紹介
内田百〓[ウチダヒャッケン]
明治22年(1889)、岡山市に生まれる。六高を経て、大正3年、東京帝大独文科を卒業。この間、漱石の知遇を受け、門下の芥川龍之介、森田草平らを識る。以後、陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などで教鞭をとる。昭和46年(1971)4月、八十二歳で没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
92
酉年ということで月に一冊、鳥にちなんだ本を読んでいる。先月は月が変わる間際に手に取った。読み終わったのは昨晩だが先月の一冊としておこう。閑話休題:さて感想であるが巻末の角田光代の解説が正しく読み終わった自分の思いを代弁してくれている。筆者の生き物に対する激しい愛情と無関心のあり方は己というフィルターを通してしか他と触れ合えない人間の身勝手さを諦観して綴られており身につまされる。好きなものは好き、嫌いなものはどーでもいーのだ。2017/12/02
佐島楓
66
再読。例によって内容はほとんど忘れていた。漱石にドヤァと自分に慣れた文鳥を見せつけているところ、子どもみたいで笑ったのと漱石の「文鳥」を読んで冷淡な漱石に憤った身からすると痛快でよかった。わたしは長年の文鳥フリークなので。百閒は変人なんだけど、正直で素直なところがあって自分を隠していないのがいいな。2022/07/21
佐島楓
66
百閒先生といえば「ノラや」で有名だが、大の愛鳥家という一面も持っていらっしゃる。鳥にまつわるエッセイをまとめたのがこの本だ。かなり独特なかわいがり方をなさっているなというのが読んでいてすぐにわかり、笑ってしまうようなところも健在。私も鳥類にメロメロなので、理解できる点が多々あった。楽しい読書時間だった。2016/08/12
鱒子
46
内田百閒著の動物エッセイ。さすが百閒先生、超絶わがままで、お子ちゃまで、自分に正直です(^◇^;)涙を流すほど生き物の死を悼んだとかと思うと、結構残酷な仕打ちもしてたりします。でも、憎めないお人なのです。そして、角田光代さんの解説が冴え渡ります。鳥の話が中心ですが、ノラクルの後日談もほんのちょっと載っています。2017/04/30
澤水月
27
『ノラや』著名な百閒だが本書では野良猫に小鳥をヤラレ棒に包丁括り付け縁の下に潜り殺そうと待ち伏せし続ける。自分で買った鶏がやかましいと籠に閉じ込め離しては棒で縦横無尽に追い回す。狂気ぶりが筒井康隆の作中人物じみてる。空襲時持ち出し生き延びた目白が死ぬまで淡々と記し、仏法僧診た獣医への礼という形の完全なる御座候文など多彩な文体で別れた愛玩動物への哀惜綴る…が、飽きて譲渡したり死体が変化する描写など冷徹さも同時にある(少年時の初投稿「乞食」で汚さ臭さまで細密描写した頃と変わらない)。狸飲み会面白い(→コメ続2022/05/26
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