出版社内容情報
司馬遼太郎、山本周五郎から遠藤周作、吉村昭まで。人間の生き様を描いた歴史・時代小説を中心に中学教科書から厳選。感涙の12篇。文庫オリジナル。
内容説明
生きることの意味とは、人間としての矜持とは何か―。司馬遼太郎、森鴎外、山本周五郎から武田泰淳、遠藤周作、吉村昭、野坂昭如まで。人間の生き様を情感豊かに描いた歴史・時代小説の傑作を中心に中学国語教科書から精選。感涙の12篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
中学の国語の教科書に掲載された作家の短編を集めたものです。ジジイの私にとっては作家としてはちょうどいい時代なのですが、あまりなじみのある作品ではないように感じました。自分が中学のときにはこのような結構内容のあるものだったかなあというイメージです。もう少しやさしいものが多かった記憶があります。「人間の情景」という副題がついていますが、もう少し多くの作品を入れてくれてもよかったという気がします。2017/10/09
カーミン
45
先日読了した「少年時代」と同じく、中学生の教科書に載っていた作品たちを収めたもの。「少年時代」は、文字通り少年たちを題材にしたものだが、本作は大人たちの葛藤を題材にした歴史・時代小説。時代小説が苦手な私でも読める。既読は「高瀬舟(森鴎外)」だけだったが、テストのためだけに読んだ学生時代と違って、しみじみとその情景を味わうことができた。山本周五郎や菊池寛など今まで名前しか知らなかった小説家の作品を読むことができて良かった。2021/09/03
アーちゃん
29
図書館本。中学の国語教科書に掲載された小説群らしいのですが、惜しいかな自分の年代のものはなかったようで、いずれも初読みでした。吉村昭さん「前野良沢」と梅崎春生さん「赤帯の話」が読み応えあり。ラストの野坂昭如さんは「火垂るの墓」に近いでしょうか、文体の粘っこさとともに、私には辛い一作でした。2017/10/01
Apple
28
とても優れた、短編小説•随筆が載っておりました。国語の教科書に載っている内容なだけあって、内容がいいだけでなく、とても読みやすいと思いました。複数の作家から集められており、個々の本を手に取らずとも一冊にまとまっているため、とても画期的なシリーズだと感じました。サブタイトルが「人間の情景」ということで、人の心の美しい部分や信念を持つということを讃美した内容が多いですが、菊池寛「形」のように心理•心情に基づいた教訓的な話もありました。2023/02/27
detu
28
中学国語教科書に載った短編名著12編。司馬遼さん随筆二編、司馬さんの歴史感が忍ばれる。過去読んだことなかった山本周五郎二編は良かったなあ。いつかしっかり読んでみたい。森鴎外「髙瀬舟」も初読。吉村昭「前野良沢」初めて知る事実。他名著ばかり。教科書は面白いかも。2018/03/28