中公文庫<br> 自由について―金子光晴老境随想

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中公文庫
自由について―金子光晴老境随想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122062429
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

戦争に対しては、ビタ一文支払いたくないのが本心だった…戦後四半世紀を経て、自らの息子の徴兵忌避の顛末を振り返り、複雑な親心もまじえて語る「徴兵忌避の仕返し恐る」ほか、戦時中にも反骨精神を貫き通した詩人の天邪鬼ぶりが溢れるエッセイ集。

目次

1(階級意識;政治時評;木石問答 ほか)
2(防空演習なんかやめさせました;正統がはびこることを恐れる;思案たりぬ日本人 ほか)
3(つれづれ放言;母親より強いものはない;報償を求めない心 ほか)

著者等紹介

金子光晴[カネコミツハル]
明治28年(1895)、愛知県に生まれる。早大、東京美術学校、慶大をいずれも中退。大正8年、『赤土の家』を出版後渡欧、ボードレール、ヴェルハーレンに親しむ。大正12年、『こがね蟲』で詩壇に認められたが、昭和3年、作家である夫人森三千代とともにふたたび日本を脱出、中国、ヨーロッパ、東南アジアを放浪。昭和50年(1975)6月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kinkin

67
帯には「天邪鬼詩人の反骨言行録」と書かれていた。反骨とななにか、ただ大きな力を持った世論に対して反発することか、そうではなくそれを大声で体をもって示すことが反骨だということを知る。このほんに書かれているエッセイはどれも昭和30年以降のものだ、しかし著者は太平洋戦争中にも防空演習や、自分の息子を戦争に行かせないために様々なことを試したという。大きな世論に迎合することは簡単で居心地よくともそれが自分の身の上にのしかかる頃に息苦しくてそのうちどうにも耐えられなくなるのだろう。見せかけの自由への疑問の大事を知る。2016/12/25

tsu55

17
日本人的な(長い物には巻かれろ的な)奴隷根性を批判する一方で、権力に対峙するはずの所謂進歩的文化人の甘さに対しても厳しく批判している。生半可な覚悟で反戦、平和と叫んでいるだけではどうにもならないのだ。反骨を貫くには、図太いしたたかさが必要なのだということを知らされた。2016/08/31

モリータ

11
池内恵氏が解説ということで。文学部は「市民社会」の成員を養成するところ、とのこと。2016/05/11

グッダー

6
金子光晴さんのエッセイの中で一貫しているのは、大衆主義への疑いと、日本人の奴隷根性とも呼べるような封建的な思想への危機感である。  自らの戦争体験に裏付けられた日本人の国民性への危機感から、金子光晴は「なまけもの」を標榜することを選んだ。「なまけもの」は、大衆の中へ埋没せずに一歩離れたところから世間を見ることができる。大衆は変革が起きれば、自身の思想や人格までも変わってしまうものである。(つづく)2016/07/26

のうみそしる

2
戦争はどんなにひどいものだったか、当時の「抵抗」がどれほど命懸けだったか、いかに日本人が成り行き任せか、などが綴られている。言葉に重みアリ。「人に頼って自分の意見を変えるってことは弱いことだ。(中略)僕は、偶然だれもいなかったってことにすぎないけど。」2018/01/22

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