中公文庫
西方の音―音楽随想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122062351
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1173

内容説明

無名の文学青年の満たされぬ内面を潤し、啓発してきた音楽。最高の演奏と美しい音への飽くなき追求から、オーディオの深みへと分け入ってゆく日々。作曲家と作品、演奏家と演奏、オーディオとレコードを、剣豪小説家らしく斬れ味鋭く論じる。そして、音楽に触発された自らの人生を張りつめた文体で綴る。

目次

シュワンのカタログ
協奏曲
ピアノ・ソナタ作品一〇九
ペレアスとメリザンド
バルトーク
不運なタンノイ
タンノイについて
少年モーツァルト
ハンガリー舞曲
セレナード『ハフナー』〔ほか〕

著者等紹介

五味康祐[ゴミヤススケ]
1921年大阪・難波生まれ。42年早稲田第二高等学院中退、翌年明治大学文芸科に入学後、応召。復員後は亀井勝一郎を頼って上京し、出版社の社外校正などで生計を立てる。53年「喪神」で第二八回芥川賞受賞。80年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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コチ吉

6
オーディオに無頓着な自分には、ただただはあそうですか、と言うよりないが、生演奏を最上としながら時にそれを凌駕するやもしれぬオーディオの奥深さは伝わってくる。コンサートにいそいそと出かけて行くより、スピーカーから流れるマタイ受難曲に涙する、確かにそれは神と対峙する一つのあり様ではあるのだろう。2024/03/13

FK

6
ともかくオーディオに関する蘊蓄が凄い。お金の掛かる道楽の一つ。私などオーディオのワンセットを揃えるだけで精一杯だった。二十歳前後の頃。/ことさら指揮者のポーズを意識し、その分だけ自意識過剰で、つまり一番味気ないタクトの振りようを見せているのは日本人指揮者ではあるまいか。音楽に没入すれば、かけ声はおろか指揮台で狂喜乱舞したって不自然なわけはない(P.24)【無味乾燥なテンポを取るだけの指揮など見たくない。演奏家がまず楽しく演奏しなくて、聴衆に伝わるはずがない。もちろんレクイエムなどは別の要素が必要だが。】 2019/02/04

qoop

4
オーディオシステムへの飽くなき探求や自己否定=肯定で揺れ動く有様など、SP盤時代からかじりつくように音楽を聴き続け、愛し続けた著者ならではというべき凄みのある内容。事故で死なせてしまった被害者を思いながらレコードを聴く様子は現在の目からみると書きすぎにも感じられるが、著者なりの真摯な姿勢と取るべきだろうか。正直わからない。録音と生演奏を比較し、脳内に残る音楽とそれを取り巻く来し方の記憶へと至るロジックは、歪んだ形で一部のオーディオマニアに影響を与えたのかもしれないな、とも。2016/09/15

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