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中公文庫
自由と秩序―競争社会の二つの顔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122061705
  • NDC分類 331
  • Cコード C1133

内容説明

民主制と市場システムという二つの装置をいかに使いこなすのか。求められるのは、その欠陥を認識しながら、粘り強く修繕し続ける知恵である。自由・平等・秩序を維持するために、社会は、人は、どうあるべきか。経済思想・労働経済学の第一人者が問う。読売・吉野作造賞受賞作。

目次

1 民主制をめぐって(リベラル・デモクラシーをめぐる五つの論点;リーダーシップの衰退;日本国憲法と経済政策)
2 市場経済の力と限界(競争社会の二つの顔;視野の短期化と公共の利益;市場経済を中間組織で補完する)
3 戦後日本の合理主義(高等教育と経済学;古典の喪失と知性の衰弱;ドイツの場合―その多様性と連続性)
4 国際社会の中の日本(グローバリズム―日本にとって何が問題か;言論の役割;アメリカ・ヨーロッパ・アジア)

著者等紹介

猪木武徳[イノキタケノリ]
1945年、滋賀県に生まれる。68年、京都大学経済学部卒業。74年、マサチューセッツ工科大学Ph.D。大阪大学経済学部長、国際日本文化研究センター所長を経て、青山学院大学大学院特任教授。専攻は労働経済学、経済思想、現代日本経済史。著書に『経済思想』(岩波書店、日経経済図書文化賞・サントリー学芸賞)など。『自由と秩序―競争社会の二つの顔』にて読売・吉野作造賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

24
猪木武徳先生が21世紀の始まりに民主制、市場経済などに関する考えをまとめられた本を再読しました。20年近く経っても日本が抱える問題の本質はほぼ同じです。自国の利益や短期的な成果を追求している国が増えている今こそ、大局的な視点から物事を捉えることが重要ではないかと強く感じました。2020/09/22

Francis

11
帯に「人間は民主主義と市場システムを使いこなせるのか」。原著は2001年発行だが、23年経った現在だからこそ通用する内容。原著の発行当時はバブルが崩壊し「就職氷河期」だったが、それでもまだ明るい未来を信じていた時代だったと思う。にもかかわらず、民主主義と市場システムの限界を明らかにし、指導者のリーダーシップ、公共精神の回復、中間団体の再評価、大学などの専門教育機関の発展を主張した猪木先生の慧眼には恐れ入る。さすがは河合栄治郎先生の直弟子猪木正道先生の御子息だけの事はある。2024/01/21

ドクターK(仮)

3
主流派の経済学をベースにしながらも、市場システムの限界を見極めようとする著者の議論には非常に好感が持てる。公共性や中間団体の重視、単純労働を中心とする移民政策への慎重な姿勢などは、巷に溢れる市場原理主義的な経済学者と一線を画している。民主制下における政策論やリーダーシップ論など実践的な問題提起をしつつも、著者は現実を理論に無理矢理当てはめようとはしない。現実社会は多元的で複雑であるため、単純な理論だけでは説明がつかないのである。こうした視点を踏まえた教育論や知性論(第7,8章)も読みごたえ十分。2016/10/29

ペンギン伊予守

2
猪木先生には岩井克人先生とのお友達対談や井上達夫先生とのリベラリズム・ガチ対談など、激烈な企画を期待してますが、どなたか実現させてくれませんかね。2016/06/05

linbose

1
★★★★★2017/04/13

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