内容説明
三筆三跡をはじめ、わが国の名筆十九家を選び、その生涯をたどる。司馬遼太郎、永井路子、辻邦生ほか、作家と碩学による文学的評伝。巻末には詳細な「日本書人年譜」を収録する。
目次
聖徳太子 聖武天皇 光明皇后―山本健吉
空海―司馬遼太郎
最澄 嵯峨天皇 橘逸勢―永井路子
小野道風 藤原佐理―寺田透
藤原行成―白洲正子
西行 藤原俊成 藤原定家―中村真一郎
大燈国師 一休宗純―唐木順三
本阿弥光悦―花田清輝
池大雅―辻邦生
良寛―水上勉
貫名菘翁―中田勇次郎
著者等紹介
中田勇次郎[ナカタユウジロウ]
明治38年(1905)京都市に生まれる。京都帝国大学文学部卒業。専攻は書道史、中国文学。大谷大学教授、京都市立芸術大学学長などを歴任。平成10年(1998)歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
24
書や語学に秀で、諸教にも通じていた空海が、なぜ当時インドの土俗宗教だった密教に魅せられたのか以前から疑問だった。本書で司馬遼太郎がその人物評をしているが、空海と密教の全面肯定を前提とした理由の後付けに見え、いまいちピンとこない。思うに、学識があったとはいえ、教学の表面を撫でるに過ぎなかったこと。密教の神秘性が常識を超え、かつ、日本人の誰もが着手していなかったこと等が要因では。いかにもインテリが導かされそうな道。自己完成のみに努めた空海。いみじくも、彼の思想は空海一代において終わったと司馬も述べている。2021/10/30
はちめ
1
書の良さはよく分からないが、取り上げられている書人全てが興味深い。もっとも紹介を書いている人の名前を見れば当然と言えば当然だけど。豪華アンソロジー。2015/09/12