内容説明
大革命を彩ったロベスピーエル、ミラボー、断頭吏サンソン、シャルロット・コルデーなどの人物よもやま話や、ルイ十六世の最期、熱月(テルミドール)九日の真相を軽妙洒脱に披露。老若問答から大革命の熱情と悲哀に誘う異色の名著を復刻。エッセイ二篇(「革命夜話」「鬼才ボーマルシェ」)と翻訳一篇(「敗北者の運命」)を収録。
目次
革命夜話(革命問答;ロベスピエール;シャルロット・コルデー;オーム(鸚鵡)は語る
ロベスピエールの死
断頭吏サンソン
ルイ十六世の最期
結語(老若問答))
鬼才ボーマルシェ―「泣くが厭さに笑い候」…理髪師フィガロ
敗北者の運命(前哨戦;熱月九日―一七九四年七月二十七日;劇の大詰)
著者等紹介
辰野隆[タツノユタカ]
1888(明治21)年、建築家の辰野金吾の長男として東京・赤坂に生まれる。東京府立一中(現・日比谷高校)では谷崎潤一郎、吉井勇と同窓、府立一高では山田珠樹とも親交を結んだ。東京帝大仏文科卒業後、1921(大正10)年、助教授となりパリへ二年間留学。1948(昭和23)年の定年まで東大仏文科でフランス文学を講じる。1964(昭和39)年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
8
「ミシュレーはどうだろう…彼がロベスピエールをきらっているところから考えると、条件付の革命是認派と見られぬこともない」「彼は、彼から見て一日の長ある人物を容れ得ない…彼はダントンを一応は弁護しながら、ついに首をはねてしまった」「ロベスピエールが無神論の害毒を痛感して、ルソー流の理神論を象徴する「最高尊者」の祝典を挙げたのは、今から見れば、無意味でも、こっけいであった。最高尊者とは、実は神ではなくて、ロベスピエール自身ではないのか。革命主義、共和政治の独裁者とは、そもそもドレイを支配する暴君にほかならぬ」2017/02/28
α0350α
5
ロベスピエールは結構好きなのでボロクソに書かれているとちょっとアレですね。それ以外は昔読んだフランス革命の本を色々思い出せて良かったです。2022/09/16
刳森伸一
3
執筆された時代を考えると、先見の明があるのは分かるが、それほど面白くはないかな。私の興味の中心からは外れているせいでもあるが。2019/01/30
あこ
3
昨年末に観劇したフランス革命もの舞台の脚本がとても好みでフランス革命について知識をもっとつけたい…と読み始めましたが、なんせ私の乏しい語彙力ではそもそも文章の理解が大変でした(特に敗北者の運命)。それでも舞台に出てくる人物たちの裏話とか細かい生い立ちなんかも知ることが出来たのでそれだけでも収穫でした。ただロベスピエールについてはやはりあまり良い印象で描かれないのだな…と。舞台で観た「清廉」の部分が強いロベスピエールが好きなので読んでいて苦しくもありました。2018/06/27
あにこ
1
高校の世界史でさらっと学んだだけだったので、フランス革命そのものに対してはほとんど無知な状態で読み始めたが、「革命夜話」というように、むろん正史ではなく、人間模様が主眼として描かれているので、十分楽しめた。断頭吏サンソン、ボーマルシェらについては初めて知った。これらの話を透かした向こうに、フランス革命期という一種異常な熱気に帯びた時空が広がっている。革命そのものにも、それにまつわる人々にも興味は尽きない。2017/12/11
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