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中公文庫
猫の散歩道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122061286
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

鎌倉で過ごした子ども時代、「イヌ派」から「ネコ派」になった日から始まる猫たちの歴史、季節に触れる驚き…。小説のエッセンスがつまった88篇を収録。海辺の陽光がふりそそぐエッセイ集。

目次

1(鎌倉と私 自然への無条件な信頼;略歴のかわりのエッセイ ほか)
2(鎌倉の子ども;小説家のヴィジョン ほか)
3(大喰いという美学;読書しない子ども ほか)
4(「桜の地図」に導かれ;花と若葉、横浜では競演 ほか)
5(季節の中の猫;ノスタルジーでない過去 ほか)

著者等紹介

保坂和志[ホサカカズシ]
1956年、山梨県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。93年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年、『この人の閾』で芥川賞、97年、『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子賞、2013年、『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サルビア

17
犬派だった著者が猫派になったお話や、文章修行のお話など、読みやすく、それでいて心に残るお話でした。初めて読む作家さんです。猫への思いが伝わってきます。2016/11/11

フリウリ

8
前半はわりと長めの、後半は短めのエッセイで編まれている。芸術に「不死性」というものがあるならば、それは精神的なものではなく肉体的なものであろう、として、以下のように述べている。「小説の本質は作者が、次に何を書くか、どう転換させるか、ここでどう書きあぐねたか、という手つきや息継ぎの次元にある。私はカフカや小島信夫の一つ一つの作品がいいとか悪いとかでなく、いろいろな作品のいろいろな場所で、カフカや小島信夫の手つきや息継ぎを感じ、それが私の中で再現される瞬間を追いかける」。72025/02/10

勝浩1958

7
私はイヌ派かネコ派かと問われると、少し前までなら間違いなくイヌ派と断言していました。自分自身戌年でありますし。ところが最近、保坂氏の様々な小説やエッセイに登場してくる猫たちや「岩合光昭の世界ネコ歩き」をしばしば観るに及んで、猫の可愛さに目覚めつつあります。保坂氏も当然観ているでしょうね。2016/11/19

qoop

5
近親者からも〈長くて分かり難い〉と云われていたエッセイを書いていた著者初の〈短くて分かり易い〉エッセイ集。猫への愛情、鎌倉への想い、文学観、日常の一コマなど、ストレートな(ひねりが効いていれば文学的といった思い込みを打破する)目線から綴られる力強い文章の魅力に満ちている。例えば「比喩・意味・テーマ等々あたりまえの文学的思考を捨てて、書かれていることをそのまま読む」ことこそカフカ本来の面白みを味わう方法だ(p84)と説くくだりなどはその最たるものだろう。個人的に共感を覚える部分が多かった。2017/11/01

ギルヲ

4
猫のことを描かせたら一級品な方ですが、文学のこと、日常のさまざまなこと、記憶の中のことを題材に、短い文章の中にいろんなことを思わせてくれるとても良いエッセイ集でした。中でも、テレビで観た児童労働のニュースから始まる『人生の岐路』というエッセイは、私も似たようなことを考えたことがあったので、特に印象に残りました。しかしまー、猫が寝ている時だけ働くというのには憧れる。目標にします。 2019/03/19

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