中公文庫
佐久間象山〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122060692
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1121

内容説明

吉田松陰の下田での黒船密航に関与したとして捕縛、九年におよぶ蟄居の日々を送ることになった象山。しかし、時代は再び彼を呼び寄せる。幕末動乱の渦中で、暗殺剣に斃れた象山の壮図とは。近代日本百五十年の歴史をつくったその思想と行動をさぐる。著者が病床で手を入れた最後の本。

目次

第8章 開国
第9章 幽閉生活のなかで
第10章 再び幕末の動乱へ
第11章 統一国家のために
終章 人事の尽くるところ

著者等紹介

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年(昭和21)群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。法政大学大学院在学中に『若き北一輝』(現代評論社)を発表。以後、日本の思想・政治・文学についての評論活動を展開。2014年(平成26)死去。著書に、『近代アジア精神史の試み』(岩波現代文庫、アジア・太平洋賞受賞)、『評伝北一輝』(全五巻、中公文庫、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Y2K☮

32
攘夷派の志士に暗殺されたこともあって開国派の代表みたいにいわれるが、この人の実態は真の攘夷論者。松陰は勝ち目がなくても己の信じる正しさのためなら死を恐れず戦うが、象山は孫子と同じで戦う以上は勝たなければと考えるタイプだと思う。つまり異国と戦っても勝てる日本を作るためにこそ、開国して欧米から学べ盗めと。この国の発展を願いつつ、でも討幕に興味がなさそうなのはなぜだろう。士族を廃止した中央集権の国家体制が不可欠と誰しも気づく状況に至れば、倒される前に幕府の方から政権を返すと睨んだのか。だとしたらつくづく慧眼だ。2024/02/22

isao_key

10
下巻の初めは吉田松陰の密航事件に、象山も関与したとされ入獄を命じられた後、松代で蟄居を命じられる。一方で近代的合理主義や現状を冷静に判断するリアリストの面も兼ね備えていた。西洋の三代発明として、コロンブスの新大陸発見、コペルニクスの知度応接、ニュートンの万有引力の法則を挙げている。現代人から考えてみても正しい科学的知識を有していたことが分かる。またハリスが条約案を提出したものの、日本の返事が来ないことに業を煮やし、幾多の軍艦が来て砲撃すると脅した際にも、正しく状況を分析して、攻撃できない理由を挙げている。2016/05/26

Tetsuya Suzuki

0
漸く読破。(笑)もう一度読まなきゃ。(笑)2016/06/09

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