内容説明
見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声…ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。戦慄に満ちた文庫オリジナル短篇集。没後なお読者を惹きつけてやまない今邑ミステリの精華がここに。
著者等紹介
今邑彩[イマムラアヤ]
1955年(昭和30)、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。89年(平成元)鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」に応募し、“十三番目の椅子”を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける。2013年(平成25)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
159
これぞ安心の今邑さんクオリティ!特にテーマなく個人短編集未収録作品の寄せ集めながら9篇どれも優れ物。日常あるいは非日常を問わず、冒頭から分かりやすく物語に惹き込まれる。数頁から50頁弱での展開は、ホラーにミステリにと予想と意外を行ったり来たりの裏腹模様がたまらない!そしてやっぱりラストでゾワッとさせるのが上手い!「もういいかい……」「返して下さい」などタイトルにまで使われた台詞が実に効果的…そして鳥のキーって甲高い不気味な鳴き声に怯えるばかり…表題作「人影花」での最後またダメ押しあっての衝撃に思わず絶句…2021/11/21
やせあずき
115
今邑さん3冊目は、やはり短編集。帯に「怖いのにやめられない!戦慄のミステリ&ホラー9篇」とありますが、まさにそのとおりでした。ぞわ〜っと背筋が寒くなる展開は、やはり寝苦しい夏の夜に読むのが最適だったなぁと悔やみつつ、お彼岸の季節に読み終えました(^^;;怖いと分かっているのに魅入られたようにページを捲ってしまうなんて、今邑彩さん恐るべしです。2015/09/24
H!deking
111
いやー、これもスカッと切れ味の良い短編集。今回もしっかり堪能させて頂きました。今邑さんのぞわっとくる感じ癖になりますね。いや、面白かった!116冊目2018/11/17
ザ ネ
110
やっぱり今邑さんとは相性が良い。読み始めると止まらない(笑)どの話も面白かった!1話目の「私に似た人」からもう最高!「疵」は江戸川乱歩的な感じでこれまた最高!「返して下さい」が1番怖かった。ホラー、イヤミス、ドンデン返し満載で大満足でした。これで今邑さんの短編集は全部読んてしまった…次はシリーズ物に行くか、長編に行くか迷う(´-`)2019/10/16
aquamarine
94
9つの見事な短編です。普通の日常の情景が、ふとした瞬間から酷く不穏な怖いものに変わります。「疵」「人影花」がとても好み。今邑さんのショートショートは初めて読みましたが、これだけ短くてもやっぱり今邑作品らしいですね。ラストの3つはもはや完全なホラーです。「返してください」はある意味一番怖い…。怖くてもどの話もとても読みやすく、いつまでも印象に残りそうです。とても良かったです。2017/04/07
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