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中公文庫
経済倫理学序説 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 246p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122059832
  • NDC分類 331.15
  • Cコード C1110

内容説明

アングロサクソン文化圏の異端だったケインズとヴェブレン。時代と格闘した二人の経済学者の多面を見事に捉えつつ、鋭い大衆社会批判へと論をすすめた、若き著者の闘争宣言の書。本書はまさに西部保守思想の原点である。吉野作造賞受賞。

目次

プロローグ―経済学への懐疑
ケインズ墓碑銘―倫理の問題をめぐって(ケインズ殺し;道徳;自由;方法;ケインズ葬送)
ヴェブレン黙示録―懐疑の問題をめぐって(ヴェブレン伝説;人生;視点;構想;ヴェブレン表象)
エピローグ―大衆への懐疑

著者等紹介

西部邁[ニシベススム]
1939年3月、北海道生まれ。64年、東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授などを経て、現在、雑誌『表現者』顧問。著書に『生まじめな戯れ』(サントリー学芸賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

20
本書は、ケインズとヴェブレンというノルウェー系アメリカ人の2人の経済学者を論じたエッセイです。タイトルから想像するような経済学の知識は必要ありません。出版当時の1983年は、高度経済成長は終わったものの、好調な日本経済に支えられた古き良き時代で、日本の産業的成功は西欧でも称賛を受けていました。他方、高度経済成長による大衆社会化は顕著で、アメリカの外圧による規制緩和に端を発した官僚支配の問題がこの頃、出現します。『大きな・小さな政府論』では、常にレッセ・フェールが称揚されますが、著者はケインズの慧眼をオルテ2018/01/25

さきん

5
経済学が単なる手法としての議論に終始している現状に著者が疑問を呈し、経済学を歴史から振り返っていったところ、経済学にとどまる話ではなくなってきたという西部氏が経済学以外へ世界を広げる内容である。2015/07/08

ドクターK(仮)

5
本書が提示するのは、単なるケインズとヴェブレンの経済理論や経済思想ではない。その背後にある生き様から、2人の偉大な、そして異端の思想家の輪郭を表出させようとする試みである。本書はすでに文庫版として2度復刊されているが、21世紀の今、アメリカ型経済学が未だに社会の趨勢を左右し、大衆社会がますます進行していると認めるならば、この復刊の意味は決して小さくないはずだ。2015/01/03

筑紫の國造

4
久しぶりに読んだ、西部氏の著作。すでに後年見られる西部思想の形がほぼそのまま現れており、いかに「思想」というものを真剣に考えている人物かがよくわかる。残念ながら、自分の乏しい知識ではきちんと理解が出来たとは言い難いが、難解でありつつ魅力的、という不思議な書物である。同時に、思想と真剣に向き合う、という覚悟が必要とされる。おそらく、西部氏は保守論客のなかで最も質の良い著作を書く、数少ない貴重な人物だろう。後書きで少しだけ亡くなった奥方に触れているが、それがさり気なく短いだけに、なんだか一層寂しさがある。2016/10/08

万次

2
改めて読み直して良かった、そう思います。著者・西部邁氏の平成26年度版あとがきと解説・佐伯啓思氏の文章を読んだだけで、そう思えました。ある種の感動と賛嘆なしにこれを読むのは私には不可能です。本書が最初に発刊されたのは1983年。この時の流れの風雪に耐え、本書はいまだに名著たりえていると思います。著者の思想の射程の長さに驚くばかりです。2014/07/25

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