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中公文庫
女形の事

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122059825
  • NDC分類 774.38
  • Cコード C1174

内容説明

明治から昭和初期にかけて活躍した名優が、生い立ちや芝居の奥義を語る。十五代目市村羽左衛門と、長年、舞台を務めた『与話情浮名横櫛』のお富と与三郎、『十六夜清心』『三千歳直侍』や『土蜘』『四谷怪談』など時代物・世話物における苦心談や内幕話は、演劇史上貴重な記録である。七〇年の時空を超えて初文庫化。

目次

私の身の上
團菊左逝く
女形に就て
平素の行状
役柄の分類
戻橋覚え書
戻橋苦心談
土蜘の略型
土蜘内幕話
茨木の老母〔ほか〕

著者等紹介

尾上梅幸[オノエバイコウ]
明治3(1870)年、名古屋市伏見町生まれ。本名栄之助。父朝次郎は三代目菊五郎の孫にあたる。同15(1882)年、十三歳の時、五代目菊五郎の養子となって上京。同24(1891)年、五代目栄三郎を襲名。同36(1903)年、五代目の死をうけ六代目梅幸を襲名、同44年(1911)年から帝国劇場の座頭として活躍、十五代目市村羽左衛門と長年、共演し、情味の濃さと芸容の大きさで五代目中村歌右衛門と並び称される近代の名女形。昭和9(1934)年、死去

秋山勝彦[アキヤマカツヒコ]
昭和26(1951)年、静岡県沼津市生まれ。日本大学芸術学部中退。東宝・アドセンターの演劇広告の仕事を経て、同55(1980)年、演劇出版社入社。筆名に亀井五郎、藤澤夏生など。平成7(1995)年10月から「演劇界」編集長。同19(2007)年退社しフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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絶間之助

1
最初の方は、戻橋や土蜘の細かい型を記録した箇所が長く、読むが大変でしたが、その後は芸談の面白さを満喫。女形の心得から、九代目團十郎、五代目菊五郎の厳しい小言を受け精進して行く姿が赤裸々に描かれています。團十郎が「茨木の片腕を隠すのはいけない。手をそのまま出していて使わない方が面白い」との評に感心したが、その方が難しかったとか。六代目との演技の違いもなるほどと思わせる。特に、女形として常に立ち役を引き立てる心掛けが随所に描かれているのが印象的でした。こうしてきちんと伝授することは、伝統芸能では貴重ですね。2014/12/09

ところてん

0
女形、尾上梅幸による芸談です。芸人としての生き方がありありと伝わってくるようです。細やかなところにまで、芸に対する真摯さというものが感じられます。2016/12/09

Hatsumi Sakoda

0
数々の工夫を重ね、それを工夫と感じさせず、あたかも物語中の人物がそこに存在し、生きているように見物に感じさせる。名優とはつまるところそういうものなのかも知れない。伝説の名優達と共演し、自身もまた優れた役者だった六代目梅幸が遺してくれた素晴らしい遺産のような本だ。2014/08/20

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