内容説明
ふと目覚め、大好きな少女漫画で一回きりの人生を思う深夜。情熱が空回りしたタイフェス。なぞの沈黙に耐え抜いた十五歳の初詣。記念切手をくれた友人へお礼の物まねを繰りだせば、「純愛における自死」について逡巡もする…日常の皮をむき、まったく新しい肌触りを味わう芥川賞・谷崎賞作家の日記的エッセイシリーズ第一弾。
目次
スノードーム前々夜
濡れた髪もあたらない
わたしはあなたに感謝します
眠り号
世はすべてこともなし
錠剤に色をつけるとすれば
最終の夜のこれがチャンス、あるいは七時半になって夜がきた
冷蔵庫をひやす
お餅はあまり好きではない
世界なんかわたしとあなたでやめればいい〔ほか〕
著者等紹介
川上未映子[カワカミミエコ]
1976年8月29日、大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン歯ー、または世界』で第一回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。08年『乳と卵』で芥川賞を、09年、詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』で中原中也賞受賞。10年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。13年、詩集『水瓶』で高見順賞受賞。同年『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
75
ひとつひとつに付けられたタイトルの美しさ。目次だけを続けて読めば、それはまるで一篇の散文詩のよう。そう言えば『魔法飛行』を読んだ時にもそう感じた。川上未映子は不思議な作家だと思う。くすくす笑えるエッセイを書くかと思えば、文学的で少し難しい小説を書いたり。ほんのりと哀しいような、どこか諦めているような、俯瞰的でありながら、内に内に潜りこんでゆくような、けれどしっかり地に足がついているような、でも少し泣きたくなるような。感覚的にうったえかける自由な文章からは、日々の、命の、美しさを感じる。うまく言えないな。2019/02/19
さおり
49
一応「読んだ本」に登録しちゃうけど、ちょっとずるだと思う。だって、ちょー飛ばし読みしちゃったし。川上未映子さんは、私にはまだ早いようです。小説がちょっと難しくて、だったらエッセイだっ!と意気込んだけど、同じことでした。いつかいつか、リベンジできる日が来ますように。2015/02/15
Y2K☮
42
以前著者を「生まれ変わった樋口一葉」と評したけど、そこへ「21世紀版清少納言」も加えたい。目の付け所が独特で、思いの丈を変換する際の言葉の当意即妙過ぎるチョイス(少納言)とギリギリまで膨張しても氾濫までは至らぬ文章という川の綱渡り過ぎる制御から漂う絶体絶命的親和感(一葉)。陳腐な賞賛かもしれないが本当に「一葉+少納言」としか云い様が無い。自慢話は皆無で謙虚そのものだけど、実は自分で考えている以上にワガママというかマイペースな点も彼女らに似ていると云えなくもない。もちろん何度でも読みたくなる中毒性も含めて。2015/09/19
メタボン
37
☆☆☆ 日記、エッセイ、詩。そのすべてにあてはまるような文章。ところどころ「発光」する一文がありはっとするのが良いところ。しかし読むそばからどんどんと言葉が掌からこぼれてゆくようで、はかない文章だった。2021/06/04
桜子
25
読書を始めた頃はエッセイに興味がなくて、今想うと興味が無かった頃に戻るのは絶対イヤだな、なんて思います。だから初めてのエッセイが未映子さんの「そら、すこん~」だったことに感謝。今回は、明後日に山口に行くとか、お盆だとか、タイムリーな内容も多くて「すここん!」ときました。『いちばん素晴らしい時間』『鞄のいちばん底におく』はとても温かくて、ポワンって心臓のあたりが優しい発光。そして、『スノードーム前々夜』、スノードーム50個並べてキラキラ具合を楽しみたいな。→以下ネタバレ2014/08/16




