出版社内容情報
古今亭志ん生、桂文楽らとともに落語の一時代を築いた生粋の江戸っ子名人が、釣ってから食べるまでの「醍醐味」を語り尽くした名エッセイ。
内容説明
「魚釣りと人生は実によく似かよったところがある。女は男を釣り、男は女を釣ろうと思って釣られている」…古今亭志ん生、桂文楽らとともに落語の一時代を築いた生粋の江戸っ子名人が、釣ってから食べるまでの「醍醐味」を語り尽くした名エッセイ。
目次
釣って食べてまた釣って―釣り十二ヵ月(指より細いワカサギ―一月;江戸特有のタナゴ釣り―二月;上方では刺し身にするフナ―三月 ほか)
ところ変われば釣り変わる(竿の思い出―道具の話;サシを食べた話;北海道釣りあるき ほか)
竿一本の喜怒哀楽(競争釣りあれこれ;釣りと迷信;げてもの釣りの話 ほか)
巻末語りおろし対談 三遊亭金馬、その人となりを語る(海老名香葉子;中根喜三郎)
著者等紹介
三遊亭金馬[サンユウテイキンバ]
本名は加藤専太郎。明治27(1894)年、東京生まれ。大正2(1913)年、初代三遊亭圓歌に弟子入りし、三遊亭歌当を名乗る。大正9年に真打ち昇進、翌年に三代目三遊亭金馬を襲名。「楷書で書いたような落語」と高く評価された。昭和39(1964)年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビイーン
43
金馬師匠の釣り好きは有名で、寄席に「本日、金馬休演」と貼り紙がしてあると、お客がみんな「あー、今日は釣りに行ったのか」と言ったそうだ。大正、昭和初期の風情が感じられる。海の上に3mくらいの脚立をたてて釣る青ギス釣りの話が興味深い。残念なことに今は東京湾の埋立工事が進んで青ギスがいなくなり、脚立使用の青ギス釣りを見られなくなってしまった。本書は江戸前の釣りを伝えるのみならず昭和初期当時の風習や文化を知る事ができる良書に違いない。2023/02/21
こばちん
4
江戸の情緒が味わえる釣り本。落語家だけに文章も読みやすく面白い。のんびりと釣りをしたくなった…。2015/11/02
Gen Kato
1
題名通り、釣りの話がメインですが、噺家特有の語り口や季節感、明治の名残の空気も味わえる、随筆の佳品。2013/12/27