出版社内容情報
二千年以上に及ぶ歴代王朝の歴史を貫く「大一統」の観念とは何か? 始皇帝から宣統帝溥儀まで、十三人の皇帝の事績から中国文明の本質を読み解く。
内容説明
中国は一つである、一つであることが中国である―。始皇帝が実現した「大一統」の理念は、延々二千年以上にわたって引き継がれ、歴代王朝を呪縛し続けてきた。中央集権による一極支配を是とする伝統的統治体制の頂点に座した皇帝たち十三人の事績をとおして、「中国とは何か」を考える。
目次
皇帝と「大一統」の観念
秦の始皇帝―〓(えい)政
漢の高祖―劉邦
漢の武帝―劉徹
魏の武帝―曹操
隋の文帝―楊堅
唐の太宗―李世民
唐の則天武后―武照
唐の玄宗―李隆基
宋の徽宗―趙佶〔ほか〕
著者等紹介
稲畑耕一郎[イナハタコウイチロウ]
1948年、三重県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学文学学術院教授、北京大学中国古文献研究中心兼職教授。専攻は中国古典学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tomoichi
12
単行本時のタイトルは「皇帝たちの中国史ー連鎖する『大一統』」。それに歴史読本に書いた作品を加筆したもの。「大一統」をキーワードに秦の始皇帝からラストエンペラー清の宣統帝溥儀まで各時代のキーとなる皇帝から中国の歴史を俯瞰する。結構冷めた目線がよく、面白く読めます。2018/09/27
oooともろー
5
よくある列伝とは一線を画す好著。冷静な筆致と真摯な研究。2018/03/13
パトリック
1
なんだか網羅的なモノを想像させるタイトルだが、「皇帝たちの中国史」という原題を見れば納得する。始皇帝からラストエンペラー溥儀まで13人の列伝。2019/09/16
韓信
1
多様な地域から成り立っていた中華世界を一元化した「大一統」観念。それを実現した始皇帝からラストエンペラー溥儀まで13人の皇帝の事績から中国史を概観する。六国併合と外征、長城修築や諸制度の統一により一統世界を現出させた始皇帝、秦の滅亡後、従来の諸侯並立に甘んじず一統世界の後継者たらんとした漢の高祖、董仲舒ら儒家による一統思想の成立を見て、外征により現代にまで続く中華世界の祖型を築いた漢の武帝、北周とは逆に漢化を進めて大一統を成し遂げた隋の文帝あたりまでは、大一統というテーマに即しており、内容に独自性がある。2015/03/13
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