中公文庫
美貌の文化史―神と偶像

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 201p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122057739
  • NDC分類 210.1
  • Cコード C1175

内容説明

記紀神話のアメノウズメ、仏教の稚児文化、能楽、阿国歌舞伎、浮世絵の美人図、松井須磨子や原節子、山口百恵ら近代日本を飾った女神たち、そしてAKB48など現代アイドル文化。連綿と続く日本人にとって「美貌」の条件とは何か?「女性芸能者の身体と衣装」をキーワードに語る画期的な日本文化史。

目次

第1章 古代のアイドル(神と偶像;偶像と日本のシャーマニズム ほか)
第2章 中世のアイドル(院政期のアイドル;稚児時代の世阿弥 ほか)
第3章 近世のアイドル(バサラからカブキへ;「ややこ踊り」の興行形態 ほか)
第4章 近・現代のアイドル(川上貞奴―欧米を魅了した日本人女優;松井須磨子―近代日本初のアイドル ほか)

著者等紹介

矢田部英正[ヤタベヒデマサ]
1967年東京生まれ。筑波大学大学院修了(体育学修士)。学生時代は体操競技を専門とし全日本選手権等に出場。国際日本文化研究センター研究員を経て、文化女子大学大学院にて和装と身体のかかわりを研究し博士号取得(被服環境学)。姿勢研究の一環として99年より椅子の開発に着手、デザインレーベル「コルプス」を発足。現在、お茶の水女子大学および武蔵大学非常勤講師。武蔵野身体研究所主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

7
音程を平気で外しまくりながら全国放送して芸と呼ぶ奇妙なアイドル文化が、古代から巫女や芸能の中で育まれてきたと唱える考察。少年少女の未完の身体に宿る美を讃える感性は稚児芸能者のみならず、傀儡の偶像として操られるため即位した幼童天皇にまで及ぶ。色恋で生活する職と芸能の職を組み合わせた歌い踊り舞う遊女歌舞伎に至ると、客の心を大いに鷲掴みしたので嫉妬やらで興業中に刃傷沙汰も発生。人間それもプロデューサーさんの傀儡と知ってるのに神と称される崇拝を遡れば遊女観音という聖俗の混合観念が見つかる、偶像を名乗る偶像の信仰。2024/02/03

ハンギ

2
アイドル論を過去の記紀神話から現在のAKBへとつなげる視点から書いたもの。アメリカに対してはあまりよく思っていない人で、アメリカの影響で日本人の女性が美しくなくなった、と感じているみたいだ。同意できないところは多々あるけど、確信を込めた滑らかな語りというのは僕も見習いたい。天皇もアイドルであるというメッセージは現代の天皇人気はどういうものか、伺うことができる。小津安二郎に文化論的に言及している人は他に島田裕巳氏がいるが、僕は小津=日本人の感性とは思えないのですが、それでもチェックして見たくなりました。2014/04/16

nob sat

2
巫女とか遊女とか、歴史に詳しい人が書きそうなアイドル論そのもの。想定の範囲を超えず、申し訳ないが凡庸と言わざるを得ない。歴史研究者のアイドル好きは少ないという前提かもしれないが、アイドル研究家の歴史好きは多い、というこに気づいていないのだろうか。2013/10/20

nadaha

0
古代はアメノウズメから、現代のAKBまで様々なアイドル(偶像)というのを紹介している。個人的にへぇ、と思ったのが歌舞伎のくだり。遊女歌舞伎が規制されたら、ホモショタが流行って、結局女形に至ると。あと、川上貞奴とか松井須磨子とか原節子とか知らんかったから興味深く読めた。もうちょっと近代のアイドル像について書いてほしかったなー。「アイドル」という概念を語るなら、それが生まれた年代と過渡期を迎えて冬の時代、グループアイドル全盛ってとこも書いてほしかったわ。でも面白かった。真面目にアイドルを論じてた。2013/10/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6424912
  • ご注意事項

最近チェックした商品