内容説明
自然主義文学の泰斗が、日露戦争以降から敗戦までの文芸・演劇・美術の変遷を回想。団菊以後の左団次、島村抱月の活躍、そして新風の如く登場した荷風や花袋へのオマージュ、江戸趣味や洋行の影響を受けた文学者たちの姿を描く。大逆事件や戦時下の言論制約のなかでの揺れ動いた芸術運動を冷徹な視点で描く文学的自叙伝。
目次
文壇五十年(小説界に君臨する尾崎紅葉―逍遙の講義、内村の講演;『金色夜叉』『不如帰』の時代―樗牛・天外の活躍;逍遙一喝、劇壇震う―始めて確立された上演権;日露開戦で戦争劇流行―好調「桐一葉」・新作「敵国降伏」 ほか)
続文壇五十年(藤村の詩、鴎外の試験―青少年の心を魅した新体詩;藤村の『春』、花袋の『蒲団』―人生の夢をかき、小説の夢を捨てる;文壇人の洋行―心にのこる抱月と藤村の洋行;文学の行衛―「暗夜行路」を頂点として ほか)
著者等紹介
正宗白鳥[マサムネハクチョウ]
1879(明治12)年、岡山県生まれ。1901(明治34)年、東京専門学校文学科(現在の早稲田大学)卒業。のちに読売新聞社に入り、文芸、美術、演劇を担当。1904(明治37)年の処女作『寂寞』、をはじめに『塵埃』、『何処へ』などで自然主義文学に新分野を開くとして注目され、文壇にその地位を確立した。以来、戯曲、評論、小説に健筆をふるうが、戦後は軽井沢に定住し、評論活動に献身した。1962(昭和37)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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