中公文庫<br> 昭和の妖怪 岸信介

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中公文庫
昭和の妖怪 岸信介

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  • サイズ 文庫判/ページ数 275p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122057234
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1123

内容説明

「商工省に岸あり」と謳われた切れ者が満州に渡り、わずか三年余、運営と統治に十全な指導力を発揮して、日本に凱旋する。終戦後、A級戦犯から復活を遂げ急ぎ足で権力の階梯を駆け上ったこの男は、総理となって安保改定に真骨頂を発揮する…。昭和史の光と影をつねに身にまとったこの妖人政治家の特異な野望とは。

目次

第1部 満州の妖怪(少壮官僚;満州への野望;関東軍との密着;「満業」の創立;ある疑惑;実像・岸信介;総括)
第2部 権力への野望(A級戦犯の復活;権力への階段;総理への野望;短命政権;安保改定の賭け;岸とカネ;新覇権主義)

著者等紹介

岩見隆夫[イワミタカオ]
政治評論家。毎日新聞客員編集委員。1935年、旧満州大連市生まれ。京都大学法学部卒業後毎日新聞社入社。政治部、論説委員、サンデー毎日編集長などを歴任。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど多様なメディアでわかりやすい政治評論、時評解説を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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権現

6
戦前から戦後の日本をまさに駆け抜けた政治の奇才、岸信介。彼の政治家としての思想、そして実態の追求を行った一冊。時代が時代とはいえ、国家を自らの信じる正しい姿に近づけるために命をも賭す覚悟というのは凄まじい。一連の経歴を眺めると、まさしく首相と安保の流れを日本にもたらすために生まれてきた男と言っても過言ではないようにさえ思える。ただ、一冊の本として見た時に、当時を知る人向けの記述が多く、特に関係者へのインタビューは政治事情に詳しい人の方がより楽しめるだろう。昭和という時代はほんとにすごい。2015/06/05

ばんだねいっぺい

4
 昔とは違って、今は、現総理のお爺さんとして有名な岸信介。 とやかく言いたがる向きもあるだろうが、単純に頭が切れるだけではなく、社交性もあり、実務家としても優れた第一級の人物であったんだなと言うのが感想。 個人的には、その有言実行の素晴らしさ、清濁合わせ飲む肚の大きさに感心したが、一般的にはどうなんだろうか。自分は、ずれているかもしれない。2015/08/17

ぽん教授(非実在系)

4
大悪魔の如き頭の回転の良さと悪運の強さ、目的のためならば手段を選ばぬ徹底的な現実主義と心の奥底で静かに燃える熱い魂、遠くから見る人には反発を近くの人には親しみを与える不思議な魅力。日本近現代史どころか世界史レベルでも大人物と言うよりほかない岸信介のスケールはあまりに大きすぎ、膨大な本人やその周囲へのインタビューを駆使した本書をもってしても、蜃気楼のような輪郭がぼやっと映るのみである。 遠い未来をも見通すグランドデザインを作れる男こそ、極端な政治の時代の陰の主役であり、また彼のような人が求められている。2014/10/06

Mitz

4
「ベールをめくりたいというのぞき趣味だけでなく、正直なところ、ある時期の日本の運命をになった人物を理解せずに歴史を語れるはずがない(15頁)」と著者は言う。岸信介ほど‘のぞき趣味’と‘知的好奇心’を刺激する人物は稀かもしれない。満州の発展、東条内閣倒閣、大アジア主義、安保改定・・・。関わった事の全てがあまりに大きく、そしてどこか黒い影を放つ。・・・270頁という薄さゆえ、‘昭和の妖怪’について初めて読む評伝として最適とは言えないかもしれないが、バランス感覚に富んでいる点は良いし、入門編としてお薦めできる。2012/11/28

ナツメッグ☆

3
昔子供の頃のなぞなぞに「国会をはだしで歩く人、だぁーれ」というのがあって、答えが「出っ歯」(歯だし)の岸信介という笑い話めいたのがありました。評価は左右陣営でわかれるが、そんななぞなぞレベルにまで登場するくらいインパクトがあった人物だった。戦前、アヘンに何らかの形で関与していたと思うな。総理として「安保改定」は一仕事成し得たという気はします。それに比べるといまの総理は器のなんと小さいことか。2013/01/06

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