内容説明
「殺人者の息子」という宿命を背負いながら弁護士となった川上は、かつての父親同様に死刑判決を頑なに望む被告の弁護を手伝うことに。それは二十年前の殺人事件と、あまりによく似ていた―。被害者の息子と加害者の息子。決して邂逅すべきではない二人の人生が汐灘の街で出会ったとき、何が訪れるのか。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
53
あくどい商売ゆえに殺された男の息子真野と、殺した男の息子川上。とくにすべてに消極的で過剰な被害者意識と現実逃避からくる人間不信という真野の性格(川上にも重なるところがある)に、読んでいて、時にうんざり苛立つことも。物語がいったいどこへ行きつくのかと思っていたら、これは男たちの再生のドラマだった。それが明らかになるのが第七部で、読後感良し。表題につながる最後の一行も良かった。2022/12/30
ロッシーニ@めざせ正社員
25
一気に読んでしまいました!「長き雨の烙印」「断絶」と違って、今作は希望の持てる結末で良かったです。あと、セリフがいちいち心に残ります。2012/09/11
Makoto Yamamoto
24
夕灘で父が殺人を犯しした弁護士の川上と、その父親に会社社長だった父を殺された喫茶店長の真野。 二人とも夕灘に屈託をもって成長。 真野の店の前で起きた交通事故の被害者の若い女性が入院し意識不明に。 彼女の存在がキーとなり二人が接近する。。 締めは明るい感じ。。。2024/01/21
ゆみねこ
24
20年前に汐灘で起きた殺人事件、その被害者と加害者を結ぶ糸。重い宿命を背負った者同士が一人の少女をきっかけにつながる。煮え切らない「真野」にややイライラとしましたが、読後感は良かったです。シリーズ物ですがこの作品単独でも読めるのでお勧めです。少女の身元は途中で気づいてしまいました!2014/04/25
タカシ
18
20年前の殺人事件の当事者の息子二人、お互い事件から逃げた葛藤に悩みながら汐薙に関係する事件を追うが…。面白かったですね。真野と川上、表裏一体の二人を最後の対峙迄じっくり描いたのが良かったです。2016/11/22
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