中公文庫<br> 浮世女房洒落日記

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中公文庫
浮世女房洒落日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122055605
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

お江戸は神田の小間物屋、女房・お葛は二十七。お気楽亭主に愛想つかし、家計はいつも火の車。それでも風物たのしんで、美顔の探求余念なし。ひとの恋路にゃやきもきし、今日も泣いたり笑ったり。あっけらかんと可笑しくて、しみじみ愛しい、市井の女房が本音でつづる日々の記録。

著者等紹介

木内昇[キウチノボリ]
1967年、東京生まれ。出版社勤務を経てフリーランスとなり、インタビュー雑誌「spotting」を主宰する。2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家としてデビュー。09年、『茗荷谷の猫』で第二回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を、11年、『漂砂のうたう』で第一四四回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

410
ああぁ、楽しかった。イッキ読みさせるソレではなく、一遍一遍慈しみながら読ませるような。庶民の女の考えることは、スマホが発達した現代も、井戸端がメインのお江戸の世も変わらない。頼りにならない亭主、イケメン・火消し衆へのときめき、民間美容法、お店(たな)でのあれこれ、悩みを日記に綴りながらも、最後には美味しいものを夢見て筆を置く。お恒さんの夫操縦法には思わずアンダーライン引きそうになった。男ってやつぁ(笑)ますます木内さんの魅力にズブズブ。2018/08/22

しんたろー

190
久々の木内さんは、小間物屋の女房・お葛が綴った日記形式で、ある一年間の江戸風俗を描いている。お葛の性格が単純だが前向きで真面目なのが好感が持てるので、彼女と一緒に泣き笑いできる。季節ごとの行事や当時の質素だが惹かれる味覚のアレコレも楽しく、歳時記として面白い。お気に入りシリーズ『おけら長屋』にも通じるが、馬鹿な江戸っ子ぶりを発揮する男どもにも憎めないものがあって「昔から女性に生かされているんだなぁ」とも思えて、クスクスシミジミ ホノボノした時間を味わえた。現代でも変わらぬ深イイ言葉が挿入されるのもニクイ!2021/07/04

じいじ

115
2017年からの日記帳は「10年先を目指して頑張ろう!」との祈りを込めて10年モノにした。しかし、ズボラなので彼方此方空白があります。さて、今作は江戸下町、小間物屋の女房が記した「日記」である。舞台は神田。怠け者のぐうたら亭主と時々衝突、諍いはするけれどやさしい女房は家内を円満に切り盛りします。季節の移ろいが心地よく、町民の風習、生活ぶりが丁寧に描かれていて面白いです。木内さんの江戸市井の人情物語は、宇江佐さんのそれとは一味趣を異にして、しっとりとした味わいが愉しめます。2018/11/04

ちゃちゃ

110
江戸は神田、小間物屋の女将お葛の記した日記の体裁をとる作品。元旦から大晦日まで、市井の人々の暮らしが活写されて魅力的だ。ダメ亭主と喧嘩しつつも、暮らしや商いに心を砕き、隣近所への心配りも怠りなく、何よりも家族を想う。自分で決めて選んだことなんて一つもないけど、自分の生き様には責任を持って引き受ける覚悟を持ってるよ。まずは、日々の「代わり映えしない」暮らしを慈しみ楽しみなよ。お葛の日記はありふれた日常を笑いと人情で包み込み、それを引き受ける潔さに溢れている。歯切れのよい軽妙な文体にからりとした気分で読了。2018/07/31

fwhd8325

108
解説の堀江さんも書かれていますが、いつの間にかこの日記の世界に自分がいるようなそんな感覚でした。描かれている世界にどっぷり浸かったようです。月ごとに解説されている注釈もちょっとした江戸時代用語辞典のようで楽しい。2021/09/20

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