内容説明
茶懐石六十余年。日本中に足を運んで、食べものの語源、製法、産地、旬、料理法に至るまでを調べた辻留主人が、歌舞伎、長唄、和歌、俳句などを随時引用して、二百余種の美味真味を探究した辻留流奥義披路の指南書。
目次
鰹節
七草
吸口
薬味
雛祭
白魚
摘草
田楽
お茶
梅干〔ほか〕
著者等紹介
辻嘉一[ツジカイチ]
明治四十年(一九〇七)京都に生まれる。家業の裏千家専門の茶懐石料理・辻留二代目。十四歳より包丁を握り、懐石料理の道へ。昭和29年には東京にも進出。銀座、赤坂などで経営にあたるかたわら、日本料理研究家として後進の指導にあたった。著書は八十冊にのぼる。昭和56年に食生活文化功労賞、昭和63年に勲四等瑞宝章を受ける。昭和63年(1988)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
7
食べるということがすべての芸術につながっていると知った時の感動と、そんなこと日本の先人たちはとっくに気づいて洗練させていると知った時の挫折感…20代の思い上がった自分を懐かしく思い出す、自分にとっては永遠の書です。当然本棚に戻しました。2015/08/21
ぽんぽこ
1
昔ながらの美味しい日本の料理を、和歌や俳句、古文などを引用しつつ紹介してくださる本。とにかく登場するレシピのどれもがとても手が込んでいて、真の美味しいものとは、こうして手をかけて丁寧に作り上げていくものなのだと実感しました。ひとつひとつの食と丹念に向き合い、紐解いていく姿勢はまさに料理人そのもの。個人的には柚子が、ここまで長い期間に食卓に登場しうることに驚きました。そしてとても美味しそう。便利さ手抜きさがはやし立てられる現代だからこそ、大事にしなくてはいけないことがあるのだと思い知らされました。2021/07/13
たけはる
1
料理のみならず、それにまつわる短歌俳句や古典などの文学にまで言及されており、面白いです。一方で発言の端々から、京都人だな~とちらほら思ったり(笑)。2013/09/15