内容説明
祖父・福田惣八の生涯を幕末維新史の点景として描く三篇のほか、日本人全般を論じた五篇、さらに劉邦、八大山人、ゴッホなど世界史のなかの天才の魅力を語る諸篇を収録。歴史小説の巨人が遺した人物エッセイの集大成・全八巻、ここに完結。
目次
ある明治の庶民―福田惣八
祖父・父・学校―福田惣八/福田是定
私の播州―福田惣八
ある情熱―文倉平次郎
誄詞正岡忠三郎の大人に奉る―正岡忠三郎
ヨゼフ忠三郎たち―正岡忠三郎
日本人の名前―日本人
日本人の顔―日本人
軽薄へのエネルギー―日本人
日本的権力について―日本人〔ほか〕
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12年(1923)、大阪に生まれ、大阪外語大学蒙古語学科を卒業。昭和34年『梟の城』により第四十二回直木賞を受賞。42年『殉死』により第九回毎日芸術賞、51年『空海の風景』など一連の歴史小説により第三十二回芸術院恩賜賞、57年『ひとびとの跫音』により第三十三回読売文学賞、58年「歴史小説の革新」により朝日賞、59年『街道をゆく 南蛮のみち1』により第十六回日本文学大賞(学芸部門)、62年『ロシアについて』により第三十八回読売文学賞(随筆・紀行賞)、63年『韃靼疾風録』により第十五回大佛次郎賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
54
図書館本。『歴史のなかの邂逅』全巻読了。明治期の日本人にとどまらず、古代中国の人々、そしてゴッホのことまで書いている。「ゴッホの天才性」には唸った。若いころ新聞社で美術評を書いていた司馬さんならではのゴッホ評だ。私たち日本人は、司馬遼太郎という作家がいなければ自分たちの過去の歴史に自信が持てず、また自分たちの過去の過った歴史を正しく評価できないままで終わったかもしれないと思う。全巻読了して、あらためてそういう感想を持った。2019/02/02
金吾
29
○シリーズを飛び飛びに入手しながら読んでいますが、面白いです。初っ端の福田家ヒストリーもいいですが、日本人の部分は面白かったです。「日本人の名前」「日本的権力について」「権力の神聖装飾」「霍去病の墓」は好みです。2022/07/07
金吾
26
○福田家のルーツの話はなかなか興味深いものがあります。司馬さんが文化大革命を評価していたのは意外でした。2025/01/27
ふくとみん
23
これで司馬遼太郎死後出版された本は雑誌を除いてすべて読み終わった。すべて再読のはずだけど引き込まれた。ゴッホについては輝くような文章だった。またいつか長編小説を再読してみたい。2025/02/08
時代
16
これでシリーズ最後。日本人という括りが良かったかな。他はちょっと退屈だったな。変わり種としてゴッホの事は興味が湧きましたよ。ありがとうございました△2016/11/09